ゴミ屋敷住人はどうしてゴミを捨てないの?孤独感などの心理状態が影響!?
お役立ちコラム

ゴミ屋敷の住人は、室内がゴミで埋め尽くされている状態でも平気で住み続けています。
ニュースやワイドショーでゴミ屋敷の現場を目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、ゴミ屋敷に住んでいない人からすると、「なぜ捨てないのか?」「どうしてこんな状態まで放置していたのか?」「どうやって生活しているのか?」と疑問に思いますよね。
「どうして?」を解決するには、ゴミ屋敷に住む人の心理状態とその暮らしを知ることが大切です。
そうすれば、そこから抜け出すための良い方法が見えてくるかもしれません。
家族や友人、隣近所など身近にゴミ屋敷で生活している人がいる方は、状況の改善に向けてぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

小西 清香氏(整理収納アドバイザー)

小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。

溢れたゴミをなぜ捨てないのか?ゴミ屋敷住人の心理状態とは

溢れたゴミをなぜ捨てないのか?ゴミ屋敷住人の心理状態とは

家や部屋の中にゴミが散らばっているゴミ屋敷。

しかし、ゴミ屋敷に住む人にとって、そのゴミは宝物のように大切な物。

 

ゴミ屋敷に住んでいる人の心理状態とはどのようなものなのでしょうか。

 

孤独を感じている

周りに家族や知り合いがおらず一人で生活をしている人の中には、「家の中に一人で寂しい思いをするよりは、ゴミや物に囲まれているほうが落ち着ける」「寂しさが紛れる」という方も少なくないようです。

 

久しぶりに帰省した実家がゴミ屋敷になっていて驚いた経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
高齢で思うように片付けができなくなってしまっただけでなく、根底には孤独や寂しさを感じているかもしれないと心にとめておきましょう。

 

片付けられない状況を正当化している

部屋が片付いていなくても問題ないと思う方もいらっしゃいます。
仕事や家事、育児に追われて時間がないので時間があるときにまとめて整理すればいいと自分を正当化するものの、実際には行動を起こさないケースも多いようです。

 

もったいないから捨てられない

物を捨てるのがもったいないという気持ちから、ため込む人もいます。
物に特別な愛着や感情を持ちやすい人が、このような状態になるようです。

 

物が増えることに喜びを感じる

買い物癖や収集癖がある人は、物を増やすことに喜びを感じる傾向があります。
物が増えると落ち着いて快感になり、室内に不要な物が溢れていても捨てられないのです。

 

汚い部屋で生活している自覚がない

物が散らかっているだけでなく、ひどい悪臭が漂い、害虫が大量に発生して不衛生な状況でもまったく気にならない人もいます。
むしろ、そのような環境のほうが快適に感じるようになり、汚れているという自覚がない場合もあります。

 

ゴミに感情移入する

ゴミを拾って収集する人に多くみられますが、捨てられているゴミを捨て猫などの動物のように感じてかわいそうに思い、自宅に持ち帰ってしまう人も少なくないようです。

ゴミ屋敷になる可能性が高い心理的な要因

ゴミ屋敷になる可能性が高い心理的な要因

続けて、ゴミ屋敷の形成に関係している可能性が高いと考えられている心理的な要因を紹介します。

 

疲労やストレスを抱えている

過労による疲労やストレスを抱え無気力になってしまい、片付けられない方もいます。
仕事や家事、育児、介護などで忙しくてストレスがたまり、うつ状態に陥る人も少なくありません。
中高年や若者など世代を問わず、誰もがゴミ屋敷を形成してしまう可能性があります。

 

ADHDなどの精神疾患を抱えている

統合失調症や強迫性貯蔵証、ADHDなどの精神疾患を抱えているため、掃除や片付けができない人もいます。
物を捨てられなかったり、片付けようとしても集中力が続かずパニック状態に陥ったりすることがあります。

 

認知症

認知症は記憶力が低下する病気ですが、症状の進行に伴い、今までできていたことができなくなっていきます。
例えば、ゴミ出しを忘れがちになったので気をつけようと思っていても、実はゴミ出しや片付けができない状態にまで症状が進行している場合も考えられます。

ゴミ屋敷住人がよくとる行動

ゴミ屋敷住人がよくとる行動

ゴミ屋敷住人に共通する行動の特徴を紹介します。

 

他人に助けを求めない

ゴミ屋敷に住んでいる人の共通点として、他人に助けや助言を求めようとしない傾向があります。
自分で解決しようという気持ちが強い人もいれば、ゴミ屋敷に住んでいることを他人に知られたくない人もおり、何か問題が起きても誰かに相談できない人が多くいます。
こうした状態ではゴミ屋敷化が進む一方で、片付けがまったく進みません。

 

衝動買いをする

買い物をする際に衝動や感情に任せ、考えて購入しない人が多いのもゴミ屋敷住人によく見られる特徴です。
買うこと自体が目的になっている買い物依存症が疑われる場合もあります。
衝動に任せて行動するため計画的に掃除や片付けをするのが苦手で、室内に物やゴミが溢れてゴミ屋敷化が進みます。

 

使った物を出しっぱなしにしている / 物を管理しない

物を使っても元の場所にしまわない人も少なくありません。
片付けるという意識がないため放置することが定着しているのです。
次に使うときに探せないので、再購入して物が増えていく……という悪循環に陥ります。

 

持ち物を減らさない

必要のない物でも捨てようとしないのは、ゴミ屋敷に住む人に共通している大きな特徴のひとつです。
物への執着心が強くて処分できない、まだ使えるので捨てるのはもったいない、精神疾患が原因でゴミや不用品を片付けられないなど、理由はいくつか考えられます。
不用品をため込んでしまうためゴミ屋敷化が進みます。

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ゴミ屋敷の生活はデメリットしかない

ゴミ屋敷の生活はデメリットしかない

ゴミ屋敷の生活はデメリットしかありませんが、そもそも住人はゴミ屋敷でどのように暮らしているのでしょうか。

 

最低限生活できるスぺースを確保している

ゴミは一か所ずつ溜まっていき、ゴミが置けなくなれば他の場所に溜まり始めます。
例えば、部屋が複数あれば、一室はゴミで埋まっているけれど他の部屋はあまりゴミがない状態です。
トイレや浴室までの道も確保されており、最低限の生活を送れている状態ならば、ゴミ屋敷としては初期段階といえます。
本人にやる気があれば自力で片付けられるレベルです。

 

ゴミの中で生活している

生活できるスペースを確保していても片付けない限り、いずれはゴミで埋もれます。
最終的にはゴミの上で寝起きをする生活になるといっても過言ではありません。
このような状態にまでなると、自力で片付けるのは不可能といっていいでしょう。

 

ゴミ屋敷は自分自身だけの問題ではなく、家族や近隣住民にも迷惑がかかることを考えなければいけません。
ゴミ屋敷に潜むリスクによって起こりうるトラブルを一緒に確認しましょう。

 

火事

ゴミ屋敷から火災が発生する事故は少なくありません。
その理由は、大量のホコリやゴミがたまっているからです。
コンセント周りにホコリがたまってトラッキング火災が起こるなどホコリは火災の原因にもなり、そのまま放置するのはとても危険です。

 

消防庁による発表では、「たばこ」が令和3年(1~12月)の出火原因の第1位で全体の8.6%を占めています。
ゴミ屋敷住人が喫煙者の場合、家の中のゴミに燃え移らないよう火の始末に細心の注意を払わなければなりません。

 

当然ながらゴミが多いほど燃え広がりやすいため、大規模な火災が発生する恐れがあります。

 

 

*参考資料
総務省消防庁「令和3年(1~12月)における火災の概要(概数)」

 

 

害虫による健康被害

生ゴミを放置していると、ハエやゴキブリ、ネズミやハクビシンなどの害虫・害獣が発生します。
不衛生な状態そのものが健康被害を引き起こしますが、害虫や害獣は病原菌や寄生虫を媒介するため人体にとって非常に有害な生物です。
近隣住民にも被害が及び、大きなトラブルに発展する恐れも避けられません。

 

悪臭

ゴミ屋敷住人の多くが腐敗した飲食物や食べ終わったあとの容器やカップを床の上などにそのまま放置しており、家の中は悪臭を放っています。
長期間放置していると悪臭が周囲にも漂い始め、近隣住民から苦情が来てトラブルになることも少なくありません。

ゴミ屋敷から抜け出すには

ゴミ屋敷から抜け出すには

ゴミ屋敷から抜け出す方法や事前の対策を紹介します。

 

コミュニケーションをとる

「孤立しない」「孤立させない」ことが大切です。
人は孤独な状態では自己防衛意識が強く働き、ゴミや不用品をため込んでしまうことがあります。
できるだけコミュニケーションをとり、孤独感を和らげましょう。

 

片付けやゴミを捨てる習慣を身につける

ゴミ屋敷住人の部屋にはゴミ箱がないケースが多く見られます。
捨てる場所を決めていないのでゴミを放置してしまうのです。
ゴミ箱を部屋に設置して捨てる習慣を身につけると、必要なものとゴミの区別がつくようになります。

 

片付けを手伝う

片付けるよう無理やり説得しようとすると、逆効果になる場合があるので注意が必要です。
家族や友人など、身近な人がゴミ屋敷に住んでいる場合は、手伝うので少しずつ片付けようと話をしてみましょう。

 

自分ではゴミ屋敷と自覚していなくても、誰かの一言がきっかけで認識することも考えられます。
ゴミの量や衛生環境によっては手伝ってあげられないこともあるので、そのような場合はゴミ屋敷片付け業者への依頼を提案して一緒に考えましょう。

 

ゴミ屋敷片付け業者に依頼する

分類しながら大量のゴミを片付けるのはとても骨の折れる作業です。
いくら人数を集めても素人がゴミ屋敷の片付けを1日で終わらせるのは難しく、かなりの時間と労力を要します。
さらに、害虫や悪臭が発生している場合は健康面に悪影響を及ぼしかねず危険です。

 

しかし、ゴミ屋敷片付け業者に依頼すれば条例や法律に従いながらゴミを分類し、すばやく回収・処分してもらえます。
費用はかかりますが時間や労力をかけず、きれいに片付けられるので利用を強く推薦します。

まとめ

ゴミ屋敷住人は、孤独や疎外感を感じていたり、何らかの精神疾患を抱えていたりする場合があり、それぞれの特性に沿って対処する必要があります。
なかなか自力で現状を変えることができないため、ゴミ屋敷からの脱出や事前対策には、周りの人の支えが欠かせません。
ゴミ屋敷住人の話をよく聞いてコミュニケーションをとったり、片付けを手伝ったり、何かきっかけを作ってサポートしながら一緒に片付け方を考え行動してあげることが大切です。

この記事の執筆者

執筆者

株式会社プログレス
編集部 F・N

遺品整理やゴミ屋敷の問題、疑問、関心を先回りして発見し、問題提起するプログレスきってのリサーチャー。
「身近に起きる不用品処分やゴミ屋敷問題の悩みを記事でサポートする」をモットーに、プログレス各種サイトのコラムを執筆中。

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