ゴミ屋敷の片付けを業者に依頼をすれば分別、搬出の手間がなくなり素早く片付きます。
けれども、できるなら自分で片付けと掃除を済ませて、なるべく費用を抑えたいですよね。
今回はゴミ屋敷を自分で掃除する方法や、片付けを業者に依頼する判断基準について解説いたします。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
自分で片付けと掃除をするメリット・デメリット
「ゴミ屋敷」は状態によっては、自分で清掃できます。
自分で片付けと掃除をするメリット、デメリットは以下の通りです。
自分で片付けと掃除をするメリット
・費用が業者に頼むよりも安く済む
・自分の時間とペースで作業ができる
自分で片付けと掃除をするデメリット
・時間と手間がかかる
・腐敗化や害虫の繁殖による被害の対処が難しい
・大量のゴミを自分で処分しなければならない
大量のゴミを運んだり、処分する体力や時間に余裕のない方は業者に依頼したほうがストレスなく片付けられるかもしれません。
業者に掃除を依頼する判断基準とは?
ゴミ屋敷の清掃を業者に依頼するか決められないときは、以下の基準を考慮してみましょう。
部屋の広さは3DK以上か
3DKとは3つのお部屋と1つのダイニングキッチンの4つのスペースがある間取りを意味します。
自分で1箇所ずつ1日をかけて掃除をした場合、4日程度でゴミ屋敷を解消できます。
しかし、ゴミが溜まっているお部屋が4つ以上ある場合や、ゴミがベランダにも溢れている場合は自力で片付けられない場合があります。
天井までゴミが積み上がっていないか
天井まで大量のゴミが積み上がっているゴミ屋敷は一人では片付けきれません。片付けが進まないだけでなく、ゴミの山が作業中に倒壊して怪我をしたり、生き埋めになってしまうリスクも考慮しなければいけません。
浴室や洗面台、キッチンなど水回りが使用できるか
床や窓、設備についた汚れを落とすためには水が欠かせません。
浴室や洗面台、キッチンなどの水回りまで問題なく移動できるか確認してみましょう。
ゴミが多くたどり着けないのであれば、掃除が進まない可能性があります。
室内から玄関までスムーズに移動できるか
ゴミが扉や廊下を塞ぐほど埋まっており、身動きがとれない状況であれば仕分けや道具置き場などの作業スペースが確保できず、片付けや掃除が進みません。
もし玄関までゴミが溜まっているのであれば、玄関部分のゴミの片付け、掃除から始めましょう。
自分でゴミ屋敷を片付け・掃除する手順は?
自分でゴミ屋敷の片付けや掃除をする手順は以下の通りです。
締め切りを決めてきれいな部屋をイメージする
まずはどのような日程で片付け、掃除を進めるか計画を立てましょう。
例えば3DKのお部屋の片付け、掃除をする場合は各部屋に2日間ずつ作業日を充て、合計8日間で全部の部屋をきれいにする、と具体的な目標を設定します。
具体的な目標を設定すれば、漠然と作業を続けるよりもモチベーションを保ちやすくなります。
片付け、掃除に必要な道具を用意する
片付けや掃除に必要な大量のゴミ袋や段ボール、掃除道具などを用意しましょう。
また、掃除中はゴキブリやハエなどの害虫と遭遇するかもしれません。
出現したときにすぐ駆除できるよう、殺虫スプレーなどの害虫対策グッズも用意しておきましょう。
室内のゴミを片付ける
準備が整ったら、室内のゴミの片付けを始めましょう。
まずは一目でゴミと判断できる未開封の食品、空箱、長期間使用していない物などを処分してください。
例えば「ここ1〜2年間使用していないものは捨てる」といった具体的な基準を設けて仕分ければ、仕分けのスピードを落とさずにゴミを片付けられます。
床や壁を掃除する
ゴミを片付けても床や壁には目に見える汚れだけでなく、目に見えないホコリや有害な菌も付着しています。特に生ゴミからの漏れた液体は、不快な臭いを放ち、害虫を引き寄せます。
ゴミを片付けた後は、モップや雑巾を使って床や壁の拭き掃除をしましょう。
ゴミから液体が漏れている場合は、新聞紙などを厚く重ねて、漏れた液体を拭き取りましょう。
拭き取っても跡が残ってしまった場合は、中性洗剤を含ませて拭き取ります。
その後は消毒液を使用して除菌を行います。
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ゴミ屋敷を効率よく掃除するコツ
作業前に片付ける順番を決めてたり、迷ったら捨てるという方針を持つとより効率的に片付け、掃除を進められます。
まずはどこから片付け、掃除を始めるか計画を立てましょう。
フジテレビのバラエティ番組に出演経験がある心理学者の植木理恵さんによると、行動心理学では、人は近接目標を達成するとモチベーションが上がり、遠隔目標へと動き出すと説明されています。
*参考サイト
【「うまく目標を立てるコツって? 遠隔目標と近接目標の心理学」植木理恵】
「部屋を片付けて掃除もする」と最終的な目標に向かって始めるよりも、「道具を揃える」「玄関だけ片付ける」など小さな目標を立てて少しずつ達成するほうがモチベーションを保ちやすくなります。
筆者も普段の掃除を始める際は、「今日中に全部の部屋を掃除する」という最終的な目標ではなく、「ゴミ箱のゴミを捨てる」「窓を拭く」などの小さな目標を複数立てるようにしています。
目標を小さくすれば、一つ終えるたびに達成感を味わえ、掃除の進捗度もわかるようになり途中で挫折しにくくなりました。
再びゴミ屋敷を作らない対策も忘れずに
一度ゴミ屋敷を掃除しても、なんとなく物を棚や箱に入れただけでは再びゴミ屋敷を作ってしまいます。
再びゴミ屋敷を作らないように対策をとりましょう。
物の定位置を決めてから収納する
捨てる物と保管する物を仕分けた後は、保管する物の定位置を決めてから収納しましょう。本は本棚、テレビのリモコンは机の上など定位置を決めて、出したら出す習慣も身に着けるようにしましょう。
物の定位置を決めておけば物がいろいろな場所に放置され、なくなったり散らかってしまうのを防止できます。
捨てるときを考えて物を買う
新しく物を買うときは、捨てるときを一度考えてから買うようにしましょう。
一般ゴミとして処分できるか、捨てるときに処分料金が発生するかなど、捨てるときに掛かる手間を考えると無駄に物を増やせないようになります。
定期的に人を自宅に招く
定期的に友人や家族を自宅に招待すると部屋をきれいにする目的ができ、片付ける意欲が湧くのでゴミ屋敷を作りにくくなります。
筆者は遠方に住んでいる母親を定期的に招き、片付けをする目的を作っています。
自分ではきれいにしたつもりでも、きれい好きの母親にとってはまだまだ掃除が甘い箇所があるらしく、度々怒られています……。
また、社会とのつながりを持たない生活もゴミ屋敷を作ってしまう原因の一つだと言われています。
東邦大学大学院看護学研究科教授の岸恵美子さんの論文「いわゆる「ごみ屋敷」の実態と
その背景に潜むもの」によると、親しい人の死や病気、障害によって外出や友人との交流などが乏しくなると、生活の意欲が低下すると説明されています。
*参考サイト
【「いわゆる「ごみ屋敷」の実態とその背景に潜むもの」岸恵美子】
家族と死別して孤独になり、掃除や炊飯などの家事をする気が起きなくなってしまう方は少なくありません。
孤立感に押しつぶされないよう、人との繋がりを保つのもゴミ屋敷を作らない方法の一つです。
まとめ
ゴミ屋敷は一人でも片付けられますが、お部屋の広さやゴミの溜まり具合によってかかる時間や労力が異なります。天井に届くほど、あるいは身動きが取れないほどゴミが溜まっている場合はゴミ屋敷片付け業者へ依頼したほうが時間や手間をかけずに片付けられます。
ゴミ屋敷の片付けに限界を感じた場合は無理をせずゴミ屋敷片付け業者に依頼しましょう。