ゴミ屋敷の片付けは何日かかる?「自分でor業者依頼」の目安は?
お役立ちコラム

自力でゴミ屋敷の片付けをした場合の所要時間を知りたい、という人は多いのではないでしょうか。
所要時間がわかればスケジュールも立てやすいですし、そもそも自分でするか業者に任せるかの判断もしやすくなります。
このコラムでは自力で片付けした場合のおおよその所要時間と、自分でするか業者に任せるべきかを判断するための基準をお伝えするとともに、自分でする手順や方法についてもご紹介します。

この記事の監修者

小西 清香氏(整理収納アドバイザー)

小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。

ゴミ屋敷レベルと片付け所要時間

ゴミ屋敷レベルと片付け所要時間

ゴミ屋敷と一言で言っても、その程度は様々です。
明確な定義はありませんが、ゴミの量、害虫発生の有無などを考慮して、ゴミ屋敷レベルは5段階に分類されることが多いです。  

ゴミ屋敷レベル

Lv.1:ペットボトルなどのゴミが床に散らばっている
Lv.2:衣類、生活用品なども含め、ゴミで埋め尽くされ床が見えない
Lv.3:ゴミが床から30㎝以上溜まり歩くのが困難
Lv.4:大量のゴミが高く積み上がり、害虫や悪臭が発生している
Lv.5:屋外にまでゴミが溢れ、近隣からの苦情が絶えない  

片付けにかかる時間はどれくらい?

ゴミ屋敷を片付けるのにかかる時間は、ゴミの量や部屋数、作業する人数によって変わります。
ゴミ屋敷レベル2~3の状態を一人で片付けると仮定して、片付けに必要なおおよその所要時間をお伝えします。

1K:6~10時間
1LDK:12~15時間
2LDK:18~25時間

3LDKを一人で片付けるのは正直厳しく、数人で作業したとしても24~30時間程かかると考えられ、1日に7時間作業するとして4日前後必要です。

 

自分でできると判断するための基準と条件5つ

自分でできると判断するための基準と条件5つ

5つある条件のうち最初の3つが揃っていることが、自分でできると判断するための最低基準です。  

ゴミ屋敷レベルは3まで

ゴミ屋敷レベル3は「ゴミが床から30㎝以上溜まり歩くのが困難」という状態です。
ゴミ屋敷レベル4の「大量のゴミが高く積み上がり、害虫や悪臭が発生している」状態にまでなっているなら、害虫駆除や消臭作業が必要不可欠です。
周辺宅に害虫被害が広がる前に迅速な駆除が求められ、また腐敗臭などの悪臭は一般的な清掃で取り除くことはできません。
これらの理由から、ゴミ屋敷レベルが4以上の場合は専門業者へ依頼するのが賢明です。  

部屋数が少ない

部屋数が多くなるほど時間も掛かり疲労度も高くなります。
自力で片付けられるのは多くても3~4部屋までと考えましょう。  

水回りが使用可

手を洗う、雑巾を絞る、汚れものを洗うなど、水回りは度々使用します。
片付け中にトイレを使用できないのも困ります。
台所や洗面所、トイレがゴミで埋まっている、または水道が止まっている状態なら専門業者へ任せましょう。  

手伝ってくれる人がいる

単身での片付けは挫折してしまうことも多々あります。
家族や友人など、2~3名に手伝いをお願いしましょう。  

時間が作れる

作業時間が確保できない時は専門業者に依頼しましょう。

 

自力で片付ける~準備編~

自力で片付ける~準備編~

片付け成功のためには、しっかりと準備をすることが大切です。  

計画を立てる

・ゴミの分別方法、ゴミ処理センターの利用条件を確認
自治体ごとにゴミの分別ルールやゴミ処理センターの受付時間、利用条件は異なります。
事前に自治体のホームページを確認しましょう。

・場所ごとの片付け順を確認
入口(玄関など)と動線(廊下、階段など)はゴミの搬出経路確保のため優先的に片付けます。

・分担を決める
全員で一斉に作業できるなら手分けして効率良く進められますが、できない場合は日にちごとに作業箇所を決めるなどの工夫をして、一か所ずつ確実に片付けていきましょう。

・車両の手配
ゴミ処理センターへゴミを持ち込むためには運搬用の車両が必要です。
用意できない場合は、不用品回収業者やゴミ屋敷片付け業者にゴミ回収のみ依頼することもできます。
ゴミ出し日を見越して作業日や作業内容を設定することもできますが、回収個数に上限がある自治体も多いので現実的ではありません。  

必要な物の準備

・マスク、作業用手袋、エプロン
・大量のゴミ袋
・段ボール箱、ガムテープ、紐、新聞紙などの緩衝材
・掃除道具  

害虫駆除

害虫は、見かけなくてもゴミや荷物の下に潜んでいることがあります。
片付けを行う前日に煙状・霧状の駆除剤を使用しておきましょう。

 

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自力で片付ける~実践編~

自力で片付ける~実践編~

効率重視で、立ち止まらずどんどん片付けることを意識しましょう。  

分別・片付けの手順

1:明らかなゴミから処分(ペットボトル、プラスチックゴミ、生ゴミなど)
ペットボトルならペットボトルだけを、プラスチックゴミならプラスチックゴミだけをひたすらゴミ袋に入れていきます。
明らかにゴミとわかるものを取り除くだけでも、全体量がかなり減るので成果が目に見え、やる気が湧きやすくなります。

2:処分に迷う品は一旦保留
処分に迷う品は段ボール箱などにまとめておき、数日または数週間おいてから再度確認を。
何年も使用しなくても困らなかった物は潔く処分しましょう。

3:ゴミを搬出して室内を掃除
ゴミをすべて搬出できたら次は清掃です。
隅々まで掃除機をかけ、モップや雑巾で丁寧に拭き掃除しましょう。
生ゴミの汁や飲み物がこぼれていた箇所は害虫が寄ってくるので洗剤を使用して洗浄します。

 

 

床や壁の腐食、取れないシミ、再発する悪臭がみられるケースでは、自力での対処は難しいためハウスクリーニングや内装リフォームの専門業者に修繕依頼することを推奨します。
そのままにしていると腐食が拡がり床板が抜けて怪我をしたり、カビや雑菌による健康被害が出る恐れもあります。

 

こんな時は専門業者へ依頼しよう

こんな時は専門業者へ依頼しよう

業者へ依頼したほうが良いケース

・ゴミの量が多く、片付け範囲も広い
・害虫や悪臭が発生している
・怪我や事故、健康被害の恐れがある
・近隣から苦情があり、迅速な解決が求められる
・高齢、体力がないなどの理由から片付けが難しい
・時間的・物理的な理由から片付けできない(多忙、遠方に住んでいるなど)  

業者へ依頼するメリット

・自力で行うより何倍も早い
・ゴミの分別から処分まで全作業を任せられる
・プライベートな時間を消費しなくて済む
・専門的な見地からアドバイスがもらえる
・不用品買取、ハウスクリーニングなどの関連サービスが受けられる  

業者へ依頼するデメリット

・自分でするより費用がかかる
・悪徳業者による被害に遭うケースも

 

 

ゴミ屋敷片付けの専門業者は、ゴミの分別や処分方法、害虫の駆除方法を熟知しており、効率良く片付ける技術、整理整頓のコツにも精通しています。
優良業者なら、依頼者の事情や要望なども踏まえたうえで適切に作業してくれるので安心です。

 

他人に任せることに抵抗感を持つ人もおられますが、業者側はきれいにする仕事に誇りを持っているので、実はそこまで気にする必要はありません。

 

それよりも気にすべきは業者選びです。
不当な高額請求やゴミの不法投棄、貴重品の盗難などの被害に遭わないためにも、以下のコラムを参考に優良な業者を選んでくださいね。

*関連コラム
汚部屋の片付けを業者に依頼するメリットは?相場もあわせてご紹介

 

まとめ

物やゴミが部屋にあふれて困った経験があるという人729名を対象に行われた調査によると、片付けられるようになったきっかけは「思い切って物を捨てた」が最も多く46%、次いで「意識や習慣を変えた」31%、「引越しをした」25%、「必要以上の買い物をやめた」23%、「家族や身近な人に頼んだ」17%と続き、「業者に頼んだ」という人も7%おられました。

生活習慣、病気、ストレスなど、いくつかの要因が重なると誰でも陥る可能性があるゴミ屋敷ですが、きっかけさえあれば抜け出すこともできます。
筆者も不規則な長時間労働を行っていたことがあり、その時期は健康面やメンタル面も不安定で掃除や片付けができなくなりました。
ぼんやりと「片付けなければ」と思うものの意欲は湧かず、「物のある場所はわかっているし、この状態が最良なんだ」と思い込むことでしか自分を保てませんでした。
本人がそんな状態にある場合は、片付けよりもゆっくり休んだり気分転換する時間の確保や、栄養のある食事、規則的な生活、睡眠、適切な治療を行うことが先決でしょう。

しかし、このコラムをご覧の方は、少なくとも片付けに対する意欲がわずかでも持てている状態なのでしょう。
思い切って物を捨てる、誰か(家族、友人、行政、業者など)に相談するなど、やれることから始めればゴミ屋敷脱出に一歩近づきます。
今のままでは状況は変わりません。
小さな一歩でも良いので、ゴミ屋敷脱出に向けて動き出しましょう。

*参考サイト
「【ゴミ屋敷予備軍に関する調査】まず溜めてしまうのは『ゴミ』ではなく『服』~誰もがなりうるゴミ屋敷予備軍~」A‐LIFE株式会社(2022年5月)

この記事の執筆者

執筆者

株式会社プログレス
編集部 S・A

遺品整理の経験から不用品を整理する重要性を実感。
片付けについて専門的なことを学び、困っている人の助けになりたいとプログレスへ入社。
「知識のない人にもわかりやすく伝える」を信条にプログレス各種サイトのコラムの執筆を担当する編集部きっての女傑ライター。

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