子供のころにご自身の部屋をご両親に見られて「汚い部屋だ」と怒られてしまった経験はありませんか?
子供のころだけでなく、社会人になった後でも、脱いだ衣類を床に放置したり、取り出した物を出しっぱなしにしたりと、汚い部屋は日常生活において無意識に作ってしまいがちです。
つい汚い部屋を作ってしまってもスムーズに片付けられるよう、片付けのコツや手順などを理解しておきましょう。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
「汚い部屋」とはどういう状態?
「汚い部屋」の基準ですが、人によって感覚が異なるため、明確な条件は存在しません。
しかし、一般的には以下のような状態が「汚い部屋」と呼ばれる場合がほとんどです。
・日用品やゴミが散乱し、床が見えないような状態と化している部屋
・掃除が行き届いていないために、ホコリや汚れが積もっている部屋
・生活に支障が出るほど生活用品や衣類などが溢れている部屋
単に物が出しっぱなしになっている部屋だけでなく、ゴミを処分しないまま溜め込んでいる部屋、ホコリや小さなチリが積もっている部屋なども汚い部屋と呼ばれます。
汚い部屋が与える悪影響とは?
汚い部屋を放置していると、以下のような悪影響を引き起こす可能性があります。
疲れが溜まりやすくなる
室内に物が溢れていると、移動や家事をする際にぶつからないよう神経を使わなければならず、何をするにも疲れてしまいやすくなります。
特に睡眠前はベッドや布団のまわりに大量の物があると、手足を伸ばしてリラックスができないため、十分な睡眠が取れなくなります。
筆者は遅い時間に帰宅する機会が増えたとき、洗濯物や日用品をベッドまわりに放置したまま就寝していました。
しかし寝返りを打つたびに手足に物がぶつかってしまい、十分な睡眠がとれませんでした。
また、汚い部屋は視覚的にも居心地が悪く、帰宅しても気持ちが休まらなかったため、質のよい休憩がとれるように寝具周辺の整理整頓はこまめに行うべきだと考えています。
衛生環境の悪化
物を置きっぱなしにしていると室内に湿気が溜まり、布団や壁紙にカビが発生しやすくなります。
そして掃除をしていない部屋にはハウスダストが溜まり、空気中に舞い上がると呼吸器系のアレルギー症状を悪化させます。
大正製薬株式会社が公開しているコラム「ALLER-LAB」では、ハウスダストとは室内のチリやホコリの中でも1mm以下の目に見えにくい物を指すと説明されています。
繊維のクズや花粉に限らず、ダニの死骸やカビ、髪の毛や皮膚片などもハウスダストに含まれます。
*参考サイト
【「ハウスダストの原因とアレルギー症状 日常生活でできる対策」大正製薬株式会社】
ハウスダストはとても軽く、人が移動するだけで舞い上がるため、被害を防止するためには定期的な掃除が必要になります。
害虫の発生
物が散乱した部屋を掃除せず放置していると、床に落ちた髪の毛や爪、食べかすなどをエサとするダニやゴキブリなどの害虫が繁殖します。
ダニの死骸はハウスダストとなり、アレルギーなどの病気を引き起こす原因になります。
ゴキブリは床下や下水など不衛生な場所を動き回っているため、ばい菌やウイルスを拡散させる不衛生な害虫です。
体だけでなく糞や死骸にも細菌やウイルスが含まれるため、対策をしなければ広範囲に病原菌が拡散します。
汚い部屋はどこから片付けるべき?
室内に物が散乱していると、まず何から始めればいいのか混乱してしまいますよね。
どこから片付けるべきかわからない場合は、部屋の中で最も目に入りやすい床の片付けから始めてみましょう。
テーブルや椅子の上など、水平な場所に置かれた物の片付けもおすすめです。床やテーブル、椅子は片付けると何も置かれていない広い面が現れ、片付けの成果がわかりやすくなるためです。
目に入りやすい場所から片付けて、きれいになったスペースを少しずつ増やせば、モチベーションを下げずに部屋全体の片付けを終えられます。
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汚い部屋を片付ける手順
汚い部屋を片付けるためには、まず計画を立てて必要な道具を準備し、明らかに不要だと判断できる物から捨てていきます。
計画を立てる
まずは片付けをやり遂げるためにスケジュールを設定します。
1日で完了させようとせず、適度なステップにわけて予定を組みます。
スケジュールを設定した後は、お住まいの地域のゴミ出しのルールも事前に調べましょう。
ゴミの収集日にあわせてゴミをまとめておけば、収集日までゴミを室内で保管し続ける必要がなくなります。
ゴミを直接処理場に持ち込む場合は、事前予約や持ち込み個数、重量制限の確認も済ませておきましょう。
必要な道具を準備
ゴミ袋や軍手、マスク、スリッパなど片付けに必要な道具を用意します。ゴミを片付けた後に掃除ができるよう、ほうきやちりとり、雑巾も揃えましょう。
筆者は掃除に取り掛かる際、掃除用のヘラも用意しています。
掃除用のヘラがあれば汚れが溜まりやすいフローリングの溝や、窓のサッシの隙間もきれいに汚れを取り除けるためです。
玄関にこびりついた泥の汚れなども落とせるので、隅から隅まで掃除をしたい場合は準備をおすすめします。
部屋の物を分別、処分する
準備が整ったら片付け作業を始めます。
まずは空の容器や紙くずなど、一目で不要だとわかる物を見つけて処分しましょう。
一目で不要な物だとわかる物を処分した後は、残りの物を保管する物と処分する物に仕分けます。
『人生がときめく片づけの魔法』の作者である近藤麻理恵さんの片付けメソッドを発信しているWEBマガジン「片付けの学校」では、はじめに衣類、次に本類、書類、小物類、そして最後に思い出の品の順番で片付けるべきだと説明されています。
洋服や本類などは処分しても買い直せますが、思い出の品は二度と手元に戻りません。そのため処分するべきか悩み、作業の手が止まってしまいがちです。
まずは処分に悩まない物から分別を始め、処分すべきかじっくり考えたい物は最後に分別しましょう。
*参考サイト
【「思い出品から片づけると必ず失敗する!最短距離で片づけるコツは『正しい順番』」株式会社KMJ】
掃除
仕分けが完了したら物を収納する前に、部屋全体を掃除しましょう。
長期間置きっぱなしになっていた家具や日用品の隙間にはホコリやチリなどが溜まっています。
ホコリは掃除機や雑巾などで取り除き、床や壁にこびりついた汚れは中性洗剤と水を含ませた雑巾で拭き取ります。
収納
最後に仕分けた物を収納しましょう。
収納するときは、取り出しやすく、収納しやすい状態を意識すると物の出しっぱなしを減らせます。
収納ケースに保管する場合は満杯になるまで詰めこむのではなく、少し余裕を残して収納すれば取り出しやすくなります。
自力で片付けられない場合は人の力を借りよう
どうしても自力で片付けられない場合は、友人や家族に相談して片付けを手伝ってもらいましょう。
親しい人に頼みづらい場合や、部屋の中の物を見られたくない場合は業者に依頼するのもおすすめです。
友人、家族に手伝ってもらう
友人や家族に手伝ってもらえば、部屋の片付けにかかる負担や時間を短縮できます。どこから片付ければいいかわからないときや、捨てるべきか判断が難しい物が出てきた場合でも、友人や家族の助言があれば悩む時間を作らずに片付けを進められます。
ゴミ屋敷片付け業者に相談する
誰かに部屋の中の物を見られたくない、相談できる人が周囲にいない場合はゴミ屋敷片付け業者への依頼を検討しましょう。
部屋が汚いけれどもゴミ屋敷と呼ぶほど散らかってはいない、という状況でも対応してもらえるため、見積もりを利用して予算と比較しながら利用を検討しましょう。
まとめ
汚い部屋は視覚的に嫌悪感を与えるだけでなく、放置し続けていると衛生環境が悪化し、害虫の発生やアレルギーなどの健康リスクが高まります。
一人では汚い部屋を片付けられないと感じた場合は、友人や家族の協力を仰ぐか、必要であれば業者への依頼も考えましょう。
部屋を快適な環境に保つために、整理整頓と清掃を心掛けましょう。