ゴミ屋敷の片付けにはたくさんの時間と労力が必要になります。
効率的に片付けるためには、事前に片付ける順番や品目を決めておけば作業を滞りなく進められます。
「ゴミ屋敷を整理したいけれど、どのように進めればいいのかがわからない」「ゴミが大量にあるので、効率的に片付けたい」とお悩みの方たちに向けて、今回はゴミ屋敷をスムーズに片付けるための手順と必要な準備について説明いたします。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
ゴミ屋敷を片付ける前にするべきことは?
ゴミ屋敷を片付ける前に、「片付ける順番を決める」「ゴミ出しのルールを把握する」といった2つのポイントを意識すればより効率的に片付けられます。
片付ける順番を決める
家中がゴミで埋もれてしまっている場合、どこから始めればいいのかわからないと思います。まずは片付ける順番を決めましょう。
特にこだわりがなければ、玄関からの片付けがおすすめです。
玄関や廊下がゴミで埋まっていると室内のゴミを搬出できないため、動線となる場所は優先的にスペースを空けておくべきです。
ゴミの処分ルールを把握する
ゴミを出す前に、ご自身のお住まいの地域のゴミ出しのルールについて把握しておきましょう。
ゴミの収集日にあわせてゴミを処分するようにすれば、当日までゴミを室内で管理する必要がなくなります。
地域によっては可燃ゴミや不燃ゴミに限らず、ガラス、プラスチックなど細かい分別ルールが設けられている場合があります。
自治体のホームページなどでゴミの収集日や指定回収品目を確認しておくとよいでしょう。
また、一度の収集に個数制限が設けられている場合もありますので、大量のゴミを処分したい場合は処理施設へ搬入する方法も調べておかなければいけません。
ゴミ屋敷を効率的に片付ける順番
まずは床に落ちている物や、明らかにゴミと判断できる物から片付けましょう。
その次に手放すべきか悩む物と向き合いながら仕分け作業を行い、最後に清掃や整理整頓を行います。
一目でゴミだとわかる物から処分する
ゴミ屋敷や汚部屋の中には多種多様な物が混在しているため、片付ける前に品目を一つだけに絞ってから整理すると作業速度が速まります。
消費期限が過ぎた食品やペットボトル、空き缶など、一目でゴミと判断できる物から片付けましょう。
処分するときに一切迷わない物から片付ければ、一気に室内の物を減らせます。
室内の物が少しでも減ればモチベーションアップにもつながりますし、次に片付けるべき物が視界に入りやすくなります。
捨てる物と残す物を仕分ける
一目でゴミだとわかる物を処分した後は、残った物を処分する物と残す物に仕分けます。
処分すべきかどうか迷ってしまう物は、一旦別の箱に保管して後から考えましょう。
どうしても決められない場合は保留の物を入れる段ボールなどを用意し、数日後にもう一度判断します。
保留する物がいつまでも部屋に残ってしまわないよう「3カ月後も決められなければ処分」などルールを決めて保管しておくとよいでしょう。
部屋の掃除をする
ゴミを片付けた後は清掃も忘れず行いましょう。
ゴミを撤去しても、室内にはホコリやゴミなどが飛散しています。
より安全な空間で生活するためには、最新の清掃機器を使用して除菌、抗菌も済ませる必要があります。
市販の消臭剤や洗剤で落とせない悪臭や汚れが室内に残ってしまった場合は、リフォームやハウスクリーニングの利用も検討しましょう。
小さな範囲を集中的に片付ける方法がおすすめ
広範囲を一気に片付けようとするよりも、小さな範囲に絞って集中的に片付けていく方法がおすすめです。
大きな目標を達成するために小さな目標を設定し、少しずつ達成する方法は心理学でスモールステップ法と呼ばれています。
スモールステップ法は教育や作業療法の現場で使われているテクニックですが、ビジネスや日常生活でも活用できます。
人材教育やビジネススキルの教育を提供している日創研では、スモールステップ法を取り入れればモチベーションを保ちながら目標を達成できるだけでなく、ご自身が苦手な作業や行動にも気付きやすくなると説明されています。
*参考サイト
【「シンクスモール、スモールステップで明確な目標が決まる」日創研】
筆者も上記の記事を読み、部屋の片付けを小さなゴールに細分化して進めています。
自分で小さなゴールを設定すれば、片付けに必要な作業が頭に入りやすくなる点もスモールステップ法のメリットだと実感しています。
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再びゴミ屋敷を作らないための対策も考える
ゴミ屋敷を片付けただけでは万事解決とは言い切れません。
大量のゴミを撤去しても、ゴミを溜めていたころと同じ生活をしていれば再びゴミ屋敷を作ってしまいます。
二度とゴミ屋敷を作らないためには、ゴミ屋敷を作ってしまった原因から改善しなければいけません。
物を増やさない
家の収納量よりも多い物を所持していると、室内に物が溢れてしまいます。
室内で保管している物を適切な量まで減らせば、ゴミ屋敷化を防止できます。
タンスやクローゼットに入りきらない量の衣類を所持しているのであれば処分して減らすなど、本当に必要な数だけを持つように持ち物を整理してみましょう。
こまめにゴミを処分する
ゴミを出したらすぐに片付けるように意識し、室内にゴミが溜めないようにします。
筆者は一日に最低一つは不要な物を捨てるというルールを作り実行しています。
使わなくなったペンや余ったメモ帳などを毎日少しずつ処分していくにつれて、自分の周りに不要な物がたくさんあると気付きました。
そして不要な物をこれ以上増やさないよう、無駄遣いにも注意できるようになりました。
周囲からのサポートを受ける
ゴミ屋敷を作ってしまった本人に片付ける気力がない場合は、うつ病やセルフネグレクトなどの精神疾患にかかっている可能性があります。
精神疾患にかかっている場合は専門医に相談し、治療を受ける必要があります。
また、ゴミ屋敷に住んでいた方が高齢だった場合は認知症を発症している可能性もあります。
精神疾患にかかっている人や認知症を発症している人は自分自身でゴミ屋敷で生活している現状に違和感を感じていない場合が多いため、周囲の方からのサポートが必要になります。
NHKニュースでは、2022年9月に環境省がゴミ屋敷について全国調査を行い、過去5年間で全国で5200件余りのゴミ屋敷が存在していると発表されました。
そして本人への直接指導や複数の部署による支援によってゴミ屋敷を改善したと報告されています。
*参考サイト
【「ごみ屋敷」の全国調査 過去5年間で5200件余 環境省」NHK」】
ゴミ屋敷を改善するため、精神的な問題を抱えている方をサポートする活動が各自治体で行われています。
自力で片付けられない場合は業者に依頼
ゴミ屋敷を片付けるためには、普段の整理整頓よりも多くの体力と時間を消耗しなければいけません。
また、ゴミ屋敷から悪臭や害虫などの被害が発生している場合、早急な対処が必要になります。
自力でゴミ屋敷を片付けられないと感じた際は、ゴミ屋敷片付け業者の利用も検討しましょう。
ゴミ屋敷片付け業者によってはゴミの撤去とあわせて、消臭作業や害虫駆除もあわせて依頼できる場合があります。
一般の方では対処できない汚損も、業者の専門的な技術によって修繕できます。
体力や費用の負担を減らし、なるべく早くゴミ屋敷を片付けたい場合は業者への依頼がおすすめです。
まとめ
ゴミ屋敷を効率よく片付けるためには、片付ける順番や始める場所を決めるだけでなく、撤去したゴミの処分方法も事前に調べておかなければいけません。
さらに、最後まで片付けるためのやる気や根気も必要になります。
モチベーションが下がらないのであれば、今回ご紹介した通りに片付けを進めなくても問題ありません。
ゴミ屋敷の間取りやゴミの品種などを確認し、ご自身に適した方法で片付けを進めてみてください。