ゴミ屋敷・汚部屋に住む人のゴミに囲まれた生活実態|典型例と原因
お役立ちコラム

テレビなどでゴミ屋敷や汚部屋が取り上げられているのを見て「住人はどうやって暮らしているのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
あまりにも自分の生活とかけ離れていると想像がつかないのは当然です。

そこで、当コラムではゴミ屋敷・汚部屋に住む人たちの暮らしぶりとゴミ屋敷化する原因、片付けを促す方法などを解説します。
「周りにゴミ屋敷・汚部屋がある」という人はもちろん、自分や家族がそうならないための予防にも、ぜひ読んで参考にしてください。

この記事の監修者

小西 清香氏(整理収納アドバイザー)

小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。

ゴミ屋敷・汚部屋に住む人の生活スタイル|典型例5つ

ゴミ屋敷・汚部屋に住む人の生活スタイル5つ

ゴミや荷物が散乱するゴミ屋敷や汚部屋では、実際に生活できる空間が限られます。
そのため一般的な生活スタイルを送ることは困難です。
ここでは、ゴミ屋敷・汚部屋の住人がどのような生活を送っているのか、その典型例を5つご紹介します。

●物に囲まれて、または物の上で過ごす
ゴミ屋敷・汚部屋では、日用品や不用品、明らかなゴミ類が散らかり、ひどい場合では何層にも積み上がっています。
住人は自分の生活スペースだけを確保するようにゴミを押し退ける、あるいは物やゴミの上で過ごしているケースもあります。

●害虫・害獣と共存している
ゴミ屋敷・汚部屋には、害虫や害獣が入り込みやすく、住みついて繁殖します。
ゴキブリやハエなどを日常的に見かけるようになりますが、お構いなしで生活しています。

●水道・風呂・トイレを使わない
トイレや風呂場、シンクにまでゴミを溜め込み、物理的に水道が使えなくなるケースも多々あります。
また、水道料金を滞納して止められているケースもあります。
お風呂は、銭湯に行く、汗拭きシートで済ませる、などしている人が多いようです。
トイレはコンビニや公園を利用、ペットボトルやビニール袋に用を足す、など一般的な生活からは想像できない方法でしのいでいます。

●食事は外食やコンビニ弁当、インスタントなどで済ます
シンクやコンロの上にも物やゴミが置かれ、自炊することができません。
そのため、外食や出来合い品の購入、インスタント食品などで済まします。
食べ終えたプラスチック容器などはそのまま放置されたり、購入時のビニール袋に入れて積み上げられたります。

●電気を使わない
電気料金を滞納して止められているケースがあります。
寒さは厚着すればなんとかしのげますが、夏の暑さの中でエアコンが使えない状態では熱中症を引き起こし危険です。

ゴミ屋敷・汚部屋になってしまう原因と住む人の特徴

ゴミ屋敷・汚部屋になる原因と住人の特徴

ゴミ屋敷・汚部屋は、住人の性格的な問題だけでなく、様々な要因が重なって起こるということがわかっています。
原因は、本人の性格・性質の他にも、病気や身体的理由、時間的な余裕のなさ、ストレスなどが挙げられます。
もしご自身が下記の特徴に該当していた場合、ゴミを溜めてしまわないよう意識し、なるべく早く改善するのが望ましいでしょう。

もったいないから処分できない

「いつか使うかもしれない」「友人に貰った物だから」と不要な物でも愛着が湧いて処分できない人はゴミ屋敷を作ってしまいがちです。

購入したときの思い出がある物や、未使用の物は余計にもったいなさを感じてしまいますよね。
筆者も処分時に罪悪感を感じてしまう性格で、自宅に一度も使用していない雑貨や文房具を大量に放置しています。

持ち物の管理が苦手

すでに持っている物でも存在を忘れて購入するなど、持ち物を管理していないせいで余計な物を増やしてしまいます。
整理整頓が苦手な人も多く、同ジャンルのものでもバラバラの場所に収納してしまい、どこにあるのかわからなくなるケースもあります。

「必要な時に見つからずに再度購入する」ということを繰り返すため、片付けを行うと同じものが何個も出てくることも少なくありません。

身体的な事情によりゴミ捨てが困難

高齢で足腰を痛めている方、ケガにより歩行が困難な方など、ゴミを持ち運ぶのが困難な状態の方はゴミをため込んでしまいます。
ご家族がゴミ捨てを代行する、ゴミ捨てがしやすい住環境へリフォームするなど、第三者によるサポートが必要になります。  

認知症などの病気や精神疾患がある

認知症は症状の進行によって記憶や判断が困難になります。
認知症によりゴミの分別や排出ができず、ゴミをためている自覚がないまま生活しているのであればゴミ屋敷が生まれてしまう可能性が高まります。

分別ができなくなったり、片付ける気力が湧かずゴミを溜め続けてしまったりする病気や精神疾患は認知症以外にも多数あります。
統合失調症、鬱病(うつ病)、適応障害、ため込み症、買い物依存症などがその一例です。

ADHD・ASDなどの発達障がい

持って生まれた性質から、段取り良く片付けを行うことや長時間集中して作業を行うことが困難になります。
ADHDASDなどの発達障がいと診断されている方の場合は、必要な治療や支援が受けられる機会も多くなります。
専門医による指導を受け、性質を踏まえた行動変容を行うなどすれば、ある程度片付けができるようになる人もいるようです。
しかし、診断基準をすべては満たしていないグレーゾーンの方の場合、見過ごされがちになる傾向があります。

孤独感や疎外感を抱えている

孤独感や疎外感を抱えている人は寂しさを埋めるために、室内にゴミを溜めてしまいます。
孤独感を抱えていると無気力になり、ゴミを掃除する意欲を失います。
家族や配偶者を亡くした方が、孤独を感じるようになりゴミ屋敷を作る事例もあります。
この精神状態が続くと、やがて鬱病(うつ病)などの精神疾患に陥ってしまう可能性があります。

内閣官房孤独・孤立対策担当室が令和5年に行った「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」の中で孤独に対する意識調査が行われました。
その結果、孤独感を「常に・しばしば」感じているのは、20~50代のいわゆる現役世代に多いことがわかりました。

ゴミ屋敷に住んでいると自覚していない

ゴミ屋敷で生活している人は、そもそも自分の住まいがゴミで溢れていると自覚していない可能性があります。
ゴミ屋敷に住んでいると思わなければ片付けを始めようという気も起きず、平然と溜め続けてしまうのです。

このようなケースでは、家族など第三者から声を掛けてもらわなければ片付けをする決意が起きず、ゴミ屋敷を放置してしまいます。

ゴミ屋敷・汚部屋を放置すると自分や周囲にリスクが及ぶ

ゴミ屋敷・汚部屋を放置するとトラブルを招く恐れがある

ゴミ屋敷・汚部屋の住人の中には「自分だけの問題で他人に迷惑はかけていない」という認識の人もおられます。
しかし、実際には近隣住民にも被害を及ぼし、最悪の場合は死傷者が出る事態になることもあります。
ここでは、ゴミ屋敷・汚部屋を放置するリスクを5つご紹介します。

①健康被害
ホコリが多く湿度も高くなりやすいゴミ屋敷・汚部屋では、ダニやカビ、細菌などが繁殖します。
住み続けていると免疫力の低下やアレルギー症状などを引き起こします。
住人はもちろん、近隣住民にまで病気が蔓延するなどの健康被害が広がります。

②悪臭被害
放置された食品や飲み物からは腐敗臭が発生します。
夏場や梅雨時期など気温や湿度が高い環境であれば、悪臭はより強烈になり周辺にまで及びます。
悪臭が染みつくため外に洗濯物が干せない、悪臭により頭痛が起こる、などのクレームを近隣から受ける可能性も高いです。

③害虫・害獣被害
害虫・害獣は悪臭を好み寄ってきます。
住まいに入り込んだ害虫・害獣は、そのまま住みつき生ゴミや衣類、紙類などをエサにし繁殖します。
そのうち近隣住宅にまで侵入していくようになり被害が拡大していきます。
また、害虫・害獣は菌やウィルスを媒介することもあり、健康被害を及ぼす他、電気コードを齧るなどして火災を引き起こすこともあります。

④落下・倒壊事故
積み上がったゴミが何かの拍子に落下した場合、打ち所が悪ければケガだけでは済みません。
また、大量のゴミの重量に耐えられず自宅が崩壊することもあります。
通行人や近隣住民にケガをさせれば損害賠償を請求される事態にもなり得ます。

⑤火災
電気プラグから発火するトラッキング現象が起きやすい条件が整っている他、屋外にゴミを放置している場合は放火されるリスクもあるのです。
可燃物が多いゴミ屋敷・汚部屋では、一度火が着いてしまうとアッという間に燃え広がります。
多くの物やゴミが障害となり逃げ遅れる可能性も高いですし、近隣住宅にまで延焼することも考えられます。
最悪の場合、住人や近隣住民が命を落としてしまうかもしれません。

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ゴミ屋敷・汚部屋を片付けるよう住人に促す3つの方法

ゴミ屋敷を片付けるよう促す方法は?

ゴミ屋敷は時間が経過すると悪臭被害、害虫被害を近隣にまで及ぼします。
被害を最小限に食い止められるよう、ゴミ屋敷・汚部屋は周囲の方も協力して早急に片付けるのが望ましいでしょう。

とはいえ、本人に直接片付けるよう進言すると、頑なに拒絶されたり、揉め事や訴訟に発展したりする可能性あります。
そこで、ここではゴミ屋敷・汚部屋の住人に片付けを促す方法を3つご紹介します。

大家さんや管理会社、行政に連絡する

大家さんや管理会社に相談をすれば本人と話し合ってもらえたり、行政に相談してもらえたりします。

またゴミ屋敷が住人の持家である場合は、行政(区役所や地域包括支援センターなど)に相談しましょう。
ご近所同士でトラブルになるのを防ぎ、適切に解決できる可能性も高いです。

環境省が発表した「令和4年度「ごみ屋敷」に関する調査報告書」では次のように発表しています。


平成30年から令和4年の直近5年度の期間で各自治体がゴミ屋敷問題の施策を行ったところ認知件数の約半数(49.5%)が改善  ※要約


改善した理由としては、「原因者への助言・指導等」、「原因者の転居・死亡等」、「関係部署・関係機関の連携による包括的支援」、「地縁団体や原因者の親族による清掃」等の回答があった  ※引用

片付けを手伝うと声を掛ける

ゴミ屋敷・汚部屋に住んでいる方の中には、この状況を他人に相談できず、対処ができないまま放置している方もいらっしゃいます。
また自分がゴミ屋敷・汚部屋に住んでいると自覚がないケースでは、第三者からの提案が片付けるきっかけになる場合もあります。

ただし、この方法は普段から交流があるなど、ある程度の関係性がなくては難しいかもしれません。

ゴミ屋敷片付け業者を紹介する

ゴミを溜めた本人やご家族だけでは手が回らないほどゴミが溜められている場合は、ゴミ屋敷片付け業者を探して紹介するのも一つの手段です。
悪臭が発生しているゴミや重たいゴミもスタッフに搬出してもらえるので、体に負担が掛からず、一般の方だけの作業よりも短い時間で片付けられます。

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ゴミ屋敷・汚部屋に住む人の気持ちは変えられる?

ゴミ屋敷に住む人の心理は変えられる?

ゴミ屋敷に住んでいる方の心を動かすためには、本人とコミュニケーションをとる方法が効果的です。
片付けを提案したい場合は「どうしてゴミを溜めてしまったのか」と詰めるように質問するのではなく、「最近困っていることはないか」と助けたい気持ちが伝わるように話しましょう。
何らかの事情を抱える人がほとんどですので、否定するのではなく、まずは寄り添うことが大切です。
相手が冷静に話し合いに応じてくれない場合や、対面に不安を感じる場合は行政や管理会社などに相談してみましょう。

筆者の大叔母は他者との交流を避けており、ゴミ屋敷化した自宅を誰にも相談できないまま放置していました。
ゴミ屋敷化が発覚し、現在は親族が団結して大叔母のサポートやゴミ屋敷の片付けを行っています。
親族の訪問が増えたことで、孤独感や疎外感が緩和されたのか、大叔母も自ら片付けを行うようになってきました。
他者との関わりを避けている方でも家族や周りの方の定期的な訪問により孤独感が和らがば、片付けに前向きになれるかもしれません。

まとめ

ゴミ屋敷・汚部屋の住人の生活実態や、ゴミ屋敷・汚部屋を作ってしまう原因がおわかりいただけたと思います。
ゴミ屋敷・汚部屋を解消し再発させないためには、住人の心情を理解して、原因に合わせた適切な対応をしなくてはいけません。
住人本人だけでの対処はほぼ不可能なので、家族や近隣住民、管理会社、行政などが協力してサポートする必要があります。
もし、自分の周囲にゴミ屋敷・汚部屋に住んでいる方がいれば、見て見ぬふりはせず、自分にできる方法でサポートしてあげましょう。

この記事の執筆者

執筆者

株式会社プログレス
編集部 M・Y

祖母の遺品整理で大量の家財整理に手を焼いた経験からプログレスで不用品の処分や遺品整理、ゴミ屋敷問題について調査、執筆を開始。
ネットショッピングや定期購入などによって簡単に物が手に入る時代だからこそ、身の回りの整理整頓について振り返るきっかけを皆様へお届けしたいと考えています。

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