趣味や仕事に熱中しているうちに、部屋の片付けが後回しになって散らかしてしまう女性は少なくありません。
女性は化粧品や衣類など生活必需品が多く、忙しい日々の中ですべて片付ける時間を確保しづらいためです。
散らかった部屋の中で生活し続けている女性を意味する「汚部屋女子」という言葉も存在しています。
今回は汚部屋女子の特徴と、部屋を散らかしてしまう原因や対処法について解説します。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
汚部屋女子の特徴とは?
汚部屋は、面倒くさがりな性格で掃除をしない人が作ってしまうようなイメージを抱いていませんか?
実はそうとは限りません。
多趣味で活動的な方や、仕事が忙しく自宅に滞在している時間が短い方も汚部屋に住んでいることがあるのです。
テキパキと仕事をこなし、職場の誰からも「できる人」「憧れの女性」として一目置かれているような人が、実は汚部屋に住んでいるケースも少なくありません。
汚部屋とはかけ離れたイメージの人がなぜ?と首をかしげてしまいますが、汚部屋女子の特徴を知れば、少し納得できるような気がします。
必要以上に物を買ってしまう
私を含め、女性はショッピングが大好きです。
特に流行に敏感な人は衝動買いをして室内に物を増やしがちです。
特売品やセール品として販売されている物を見かけたら必要がない物でも購入してしまいますよね。
最近はネットショッピングで簡単に買い物ができるので、外出しなくても梱包材や段ボールがすぐに溜まり、部屋を散らかしてしまう人が増えているそうです。
趣味が多い
多趣味な方は活動的でポジティブな”陽”のイメージに溢れています。
しかし、多趣味ということは趣味が一つや二つの場合と比べて必要な物を買い揃えなければならない場合が多く、趣味道具の保管スペースも併せて考えなければなりません。
収納のキャパシティーを度外視していろんな趣味にはまってしまうと、趣味の道具が室内に溢れ返ってしまいます。
筆者は料理とランニング、水泳が趣味ですが、料理に必要な調理器具やレシピ本、ランニング用の衣類、水泳に必要な水着や水泳帽など、趣味を楽しむために必要な道具を大量に自宅で保管しています。
趣味の数が多いおかげで充実していますが、趣味に使う道具の整理や手入れを面倒に感じることもあります。
さらに私自身もそうですが、周囲を見渡してみると、どうやら趣味が多い人ほど飽きっぽい性格の人が多いような気がします。
飽きっぽい人は一つの作業に集中するのが実は苦手で、もしかすると思うように片付けられないのかもしれません……。
疲れて片付ける気力が起きない
帰宅後に家事や掃除をせず就寝してしまい、起床後すぐに出社してしまう方は汚部屋を作ってしまいがちです。
本人が面倒くさがりな性格でなくても、仕事中心の生活を続けているうちに気が付けば汚部屋を作ってしまった、という人もいます。
また、精神的に疲弊している方が物を片付ける気力が起きなくなり、部屋に散らかったままの状態にしていることもあります。
精神的な病気を患っている可能性もありますので、自分だけでは改善できないと感じた場合は専門医への受診も視野に入れるべきです。
片付け方がわからない
大量の物をどうやって整理すればいいか判断できず、片付けを先延ばしにしているうちに汚部屋化するケースです。
特に電化製品や家具などの粗大ゴミは生活ゴミと違って処分方法が複雑なので、室内に置きっぱなしにされがちです。
汚部屋を放置しているとどんなデメリットがある?
友人や彼氏を呼ぶ予定がないからこのままでかまわない、と汚部屋を片付けずに放置するのはよくありません。
汚部屋を放置していると見栄えが悪くなるだけでなく、体調の悪化や浪費、精神面のストレスなど様々なリスクにさらされます。
体を壊しやすくなる
誰も部屋に呼ばないからといって汚部屋を片付けないでいると、ゴキブリやハエなどの害虫が繁殖しやすくなります。
ゴキブリやハエは下水やエアコンの室外機を通って室内に侵入し、大量の細菌を持ち込みます。
厚生労働省はダニ、蚊、ノミ、ハエはペストや腸管出血性大腸菌感染症など、様々な感染症を発症させる病原体を持っていると注意喚起をしています。
*参考サイト
【「動物由来感染症を知っていますか?」厚生労働省】
汚部屋のゴミで害虫を引き寄せ繁殖させてしまうと、細菌によってアレルギー疾患や感染症などを起こしてしまう可能性が高まります。
室内のゴミを片付けて清潔にしない限り、健康被害を受けるリスクは続くでしょう。
お金が溜まりにくくなる
散らかった部屋で生活していると必要な物がすぐに見つからず、諦めて新品の物を買い直し、無駄な出費をする機会が増えます。
また、室内のゴミが増えれば増えるほど、片付けに必要な費用も高くなります。
ゴミを溜めていなければ払う必要がない費用と考えると、途端にもったいなく感じませんか?
無駄な物を買っているなと自覚したら、部屋の散らかり具合にも注目してみましょう。
精神に悪影響が出る
東京都立中部総合精神保健福祉センターでは、ゴミ屋敷を形成する人の特徴は片付ける能力に欠ける人であると説明しています。
片付ける能力に欠ける人とは、身体能力の低下や認知症、うつ病などの精神疾患により片付けに必要な判断力や能力が低下している人を指すそうです。
*参考サイト
【「荒廃した住居の住人に対する精神保健福祉的介入のあり方」東京都立中部総合精神保健福祉センター】
散らかった部屋で生活をしていると害虫や悪臭の発生により精神的なストレスが溜まり、疲れやすくなります。
さらに、自分は散らかった物を片付けられない人間だという嫌悪感も高まり、セルフネグレクトの状態に陥ってしまうのです。
汚部屋はどこから片付ければいい?
いろんな物が部屋いっぱいに散らかっている状態では、どこから片付ければいいのかと悩んでしまいがちです。
まずは汚れた衣類や容器、腐った食べ物など、一目でゴミとわかる物から処分してみましょう。
ゴミを片付けた後はかさばりやすい衣類やカバン、アクセサリーなどの分別を進めます。
友人や家族から貰ったプレゼントなど、思いが詰まった物やお気に入りの物は長い間使用していなくても処分をためらうかもしれません。
お気に入りだった物をゴミとして処分したくなければ、リサイクルショップやフリマアプリで売りましょう。
売却すれば買取金を得られるだけでなく、ゴミの排出量も削減できて環境保全にも役立ちます。
いらないタオルや衣類は使いやすい大きさに切れば雑巾やクロスなどの掃除用具として活用できます。
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汚部屋のリバウンドを防ぐには?
汚部屋のリバウンドを防ぐには、汚部屋を作ってしまった原因を振り返り、同じ過ちを繰り返さないことが大切です。
生活習慣を見直す
仕事で忙しく片付けに時間をかけられない方は生活習慣を見直してみましょう。
少しハードルが高いかもしれませんが、仕事にかける時間を減らしたり、ライフワークバランスがとれる職種に転職したりするなど、できる範囲での工夫が大事です。
どうしても生活リズムを変えられないのであれば、家事代行サービスや片付け業者など専門家の手を借りることも検討しましょう。
衝動的な買い物を控える
衝動買いをしてしまう人は、購入前に一旦手を止めて検討しましょう。
わかっているけど難しいですよね……。
筆者も「期間限定」「特別価格」などの言葉に惹かれて衝動買いをしてしまう癖がありましたが、「このままではいけない」と覚醒し、ぐっとこらえて自宅に帰ってからゆっくり購入を検討するようにしました。
先に収納スペースを確認し、収納できなければ不要な物を一つ捨てるようにしました。
捨てる物がなければ新しい物は買わない、これを何度か繰り返しているうちに、手元には必要な物しか残らなくなりました。
本当に必要なければ購入しない、今使っている物が壊れてから購入するなど、ルールを決めて買い物を楽しめば物を持ちすぎる心配もなく、無駄な出費も防げます。
悩みは抱えず誰かに相談する
部屋を片付ける気力が起きないほど無気力感に包まれているのであれば、気持ちが前向きになるよう精神をケアしてみましょう。
日の光を浴びたり、近くの公園を散歩したりして、汚部屋から出て自然を感じるだけでもふさぎ込んだ気持ちがすっと軽くなります。
どうしても片付けられない場合は業者へ相談を
部屋が散らかりすぎて、どうしても自分だけでは片付けられない場合は、業者へ片付けを依頼するのも一つの方法です。
自分で片付けるよりも費用はかかりますが、分別から搬出、処分まですべて代行してもらえるため手間を省いて汚部屋をきれいに片付けられます。
業者によっては汚部屋を片付けた後に収納方法のアドバイスをしてくれます。
片付け方がわからない方も専門家の意見を参考にすればきれいに整理できるようになるかもしれません。
まとめ
買い物や趣味に没頭したり、仕事などで部屋の掃除が後回しになっていたりしている方は汚部屋化しないように要注意です。
汚部屋女子にならないためには、収納キャパシティーを超えて物を増やさないことです。
汚部屋は心身に様々な悪影響を及ぼすおそれがあるので、汚部屋化しつつあるなと感じたらなるべく早めに対処しましょう。