ゴミが散らかった汚部屋はどこから片付ければいいか悩みますよね。
目に入ったゴミを片っ端からゴミ袋に詰めるのはのは効率的な片付け方ではありません。
・汚部屋のゴミの片付け方
・掃除の手順とポイント
この2つさえ押さえておけば、散らかった部屋でもスムーズに片付けられますよ。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
汚部屋の特徴
「汚部屋」は字のとおり「汚い部屋」を縮めた造語です。
汚部屋とは、ゴミや物がかなり散らかっていて、ほとんど掃除をしていないので水回りの汚れが目立ち、日常生活に支障をきたす状態の部屋を指します。
汚部屋は2種類の状態に大きくわけることができます。
物が溢れている状態
とにかく物が多く、廊下や階段、玄関などあらゆるところに荷物が積まれている状態の部屋や自宅を指します。
ストレスを発散するために衝動買いを繰り返す人や、物を捨てられない方によく見られます。
生活ゴミも溜め込んでいる状態
お弁当の食べ残しや空き容器、ペットボトルなどをそのまま放置し、悪臭や害虫が発生するなど生活環境がとても不衛生な状態です。
それらをゴミ袋にまとめていてもゴミ出しせずに部屋の中に何袋も溜め込んでいるような場合もあります。
片付けが苦手な人や、仕事などで整理する時間がない、精神的な病気が原因と考えられる方の部屋に比較的よく見受けられます。
自分はまだ大丈夫かな……と思っている方も、汚部屋予備軍になる可能性があるので油断は禁物です。今このコラムをお読みいただいているということは、潜在的にあなた自身が危険信号を察知しているとも考えられます。
汚い部屋の片付け方
散らかっている部屋をスッキリきれいに片付ける手順を説明します。
ゴミをまとめる
まずは”明らかにゴミとわかる物”をゴミ袋に詰めます。
すぐにゴミと判断できるのはこのような物です。
・お弁当の空き容器
・ペットボトル、空き缶
・食べ残しなどの生ゴミ
・使用済のティッシュやタバコの吸い殻
・賞味期限が切れた食品類や調味料など
生ゴミ類を長期間放置すると悪臭を放ちます。臭いを嗅ぎつけたゴキブリやハエ、ネズミなどの巣窟となるため、すぐに片付けましょう。
冷蔵庫の中にある賞味期限切れの食品や調味料も処分するのを忘れないでください。
段ボールや雑誌、新聞をまとめる
ネットショッピングを頻繁に利用していれば段ボールや封筒もかなり溜まります。読み終わった雑誌や新聞なども処分しなければ増える一方です。必要な物以外はすべて紐でまとめて処分しましょう。室内から段ボールがなくなるだけでも部屋がかなりスッキリして、見た目にも広く感じます。
いらない服や靴、かばんなどを処分する
洗濯物の室内干しは汚部屋住人に多く見られる特徴です。タンスには何年も着ていない服が整理されずに詰め込まれているので、購入した衣類や洗濯した物をたたんでしまえない状態です。2年間一度も着ていない服や下着、使っていない靴やかばんは処分するなど、ルールを設定すると処分しやすくなります。
処分を決めたら「もったいない」「いつか使うかかもしれない」と口にするのは禁物です。使わずにしまっているほうがもったいないですし、いま必要なければ必要な時に再購入すればいいのです。潔く処分しましょう。
汚部屋はどこから片付ける?
大量のゴミを目の前にすると、途方もない片付け作業に感じてやる気を削がれます。モチベーションを維持するには、片付け後のきれいになった住まいをイメージすることが大切です。
目標もなく単に片付けるだけでは汚部屋にリバウンドする可能性があります。「きれいになったら、あそこにソファを置いて壁に布を飾り、バリ島のホテルのような部屋にしたい」「トレーニングマシンを置きたい」などと、したいことをあらかじめ決めておけばモチベーションを維持できます。
部屋がきれいになればライフスタイルにも大きな変化が起こります。友人を家に招待してディナーパーティーを開いたり、これまで家の中でできなかったことが現実になる可能性があるのです。
部屋が片付いたら可能性が広がるかもしれないと考えるだけでワクワクしますよね。だからといって手当たり次第に汚部屋の片付けを始めてはいけません。まずは効率的な片付けの手順を知ることが大切です。
それでは片付けの手順とポイントを説明します。
片付けは、玄関から始める
玄関付近から片付ければゴミ捨てに行きやすくなり、スペースも確保できます。
入口付近の明らかにゴミとわかる物だけをまず自治体指定のゴミ袋に詰めましょう。
準備するゴミ袋は次の3つで構いません。
・燃えるゴミ用(生ゴミ、ティッシュなどの生活ゴミ)
・燃えないゴミ用(お弁当の空き容器など)
・ペットボトル・缶用
片付け方法を工夫しながら進めるのもおすすめです。例えば1㎡を10分以内で片付けるというようにルールを決めればモチベーションを維持しやすくなります。
片付けのポイント① ゴミの回収日に合わせて片付ける
ゴミを片付ける際は、自治体のゴミの回収日を必ず確認しておきましょう。
週1回だけしか回収していない物や、週に数回の回収日を設けている物など、お住まいの自治体によって回収方法はまったく異なります。
ゴミを片付けたらすぐに処分できるよう、ゴミ回収日の前日に汚部屋を片付けるのが理想です。ゴミの回収日を調べずに片付けてしまうと、せっかくまとめたゴミ袋を4~5日間も保管しなければならなくなり、再び放置するおそれがあります。
スケジュールをしっかりと組み立てて片付ければ効率よく整理できます。
片付けのポイント② 粗大ゴミや処分を迷う物は後回しにする
家電や家具などの粗大ゴミ、処分を迷う物は片付けを後回しにします。
スムーズに片付けるポイントは、明らかにゴミと判断できる物を先に処分して、部屋にスペースを確保することです。
ゴミを処分してから、その他の物を「手元に残す物」「処分する物」「保管する物」に仕分けます。大型の家具や家電製品は自治体や販売店に回収を申し込まなければならず当日や翌日に処分できないので、一般収集が可能な衣類や食器類などの小さい物から片付けを始めましょう。
片付けのポイント③ 片付けはダイエットや筋トレと同じ
「片付け」は面倒臭いというイメージがあり、気力を失いがちです。それが「汚部屋の片付け」なら面倒さも数倍に膨れ上がります。しかし、効果が目に見えて現れたら達成感を覚えませんか?
片付けはダイエットや筋トレと同じで、メンテナンスをする対象が自分の体か、自室かの違いがあるだけです。運動やトレーニングをして体が引き締まってくれば、トレーニングがいくらハードでもモチベーションは上がりますよね。それと同じで、部屋のゴミがわずかでも減少すれば作業の手応えがつかめ、継続意識が芽生えます。
行動に対して結果がしっかりと現れるので、モチベーションを維持しやすくなります。
継続は力なりといいますが、何事も途中であきらめずに続ければ、良い結果に結び付くと実感できるはずです。
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片付ける前の準備
片付けを始める前の準備について説明します。
人員の確保とスケジュールの組み立て
家族や友人に自分が汚部屋の住人だと知られたくない方もいらっしゃると思いますが、汚部屋から脱出するためには周囲のサポートは欠かせません。部屋の広さにもよりますが、片付けは3~5人ほどに手伝ってもらうと比較的スムーズに進みます。全員が揃う日に一気に片付けるか、数人ずつで数日にわけて作業をするかなど、スケジュールを綿密に組み立てましょう。
ゴミ袋の購入
ゴミ袋は片付けに欠かせないマストアイテムです。
袋であれば何でもいいというわけではなく、必ず自治体が指定するゴミ袋を使用してください。指定外の袋に詰めたゴミは回収してもらえないので要注意です。ゴミの量にもよりますが、数十枚~100枚程度を準備しておけば、片付けの途中で買い足しに行く必要はありません。
マンションや住居エリアのゴミ捨てルールも確認しておくようにしましょう。
軍手、マスクの準備
汚部屋にはいろんな物が散らかっています。鋭利な物や割れ物がゴミの下に隠れていたり、プラスチックや紙類で指先を裂傷したりすることもあり、素手で作業を行うのは大変危険です。食べ残しなどの生ゴミ処理も考慮すると、衛生面からも軍手や手袋は欠かせません。
また、片付け中はホコリが舞い、悪臭を放っていることもあるのでマスクの着用を推奨します。
液体洗浄剤
片付け作業はゴミを捨てるだけではありません。食べ残した食品やお弁当の空き容器から漏れ出た液体が床に染み付いている場合は、汚れを落とさなければなりません。拭き掃除もできるように掃除用の液体洗浄剤を用意しておけば、片付けながら掃除もできます。
殺虫剤
お弁当の空き容器や食べ残しを長期間放置しているような汚部屋はハエやゴキブリなどが好む環境で、害虫の巣窟になっている可能性があります。ゴミを片付けるたびに害虫が目に入るとやる気も失せるので、片付け前に駆除しておくと安心です。
片付け前日に霧状の殺虫剤を設置しておけば小さいゴキブリや小バエは大体駆除でき、大きめの害虫もかなり弱まります。害虫が出てきてもすぐに駆除できるよう、片手に殺虫剤を持ちながら片付けをすると捗ります。
汚部屋は危険だらけ!再発を防ぐにはどうすればいい?
どうして汚部屋になってしまうのか?
汚部屋になる原因は人によって違いますが、汚部屋の住人に共通する4つの特徴を紹介します。
片付けが苦手
もともと整理が苦手で、片付けを面倒な作業に感じています。お弁当の空き容器や食べ残しを放置している人によく見られます。家が汚く、友人や知人を招待できないと判断する人も多いようです。
買い物が好き(所有欲が強い)
とにかくストックしておかないと気が済まない、ストレスで衝動買いしてしまう、趣味が多くて興味のある物をつい購入してしまうような人の特徴で、家中に物が溢れています。
片付けや掃除をする時間がない
不規則な仕事をしていたり、子育てや学業に追われたりして片付けや掃除が思うようにできない人もいます。ゴミ出しはおろか、部屋や浴室などの水回りの掃除を放置してしまうと、たちまち不衛生な汚部屋になります。
病気や怪我、精神疾患などの問題
病気や怪我、認知症、うつ病、セルフネグレクト、ADHD(注意欠如・多動症)などが原因の場合もあります。
その他にも経済的な破綻、親しい人との死別による喪失感、人との交流がとりにくい性格など、汚部屋・ゴミ屋敷になる背景は様々です。
その背景に潜むものを紐解いて対処していくことが重要で、ゴミを溜め込む人、ゴミを溜め込むリスクのある人を早期に発見して支援することが必要です。
参照:公益財団法人 日本都市センター『いわゆる「ごみ屋敷」の実態とその背景に潜むもの』岸 恵美子
汚部屋に逆戻りしないために
せっかく部屋を片付けたのに、また汚部屋に逆戻りしたくないですよね。
片付けや掃除をする習慣を身につけろと急に言われてもうまくいきませんので、整理の基本に少しずつ慣れることが大切です。
・使った物は元の場所に戻す
・物を床に置かない
・収集日に必ずゴミを出す
・物を購入するときは本当に必要なのかを考える
・一点購入すれば一点手放す
汚部屋に住むデメリット
汚部屋に住み続けると身体に悪影響を及ぼす危険があります。
汚部屋に住むデメリットをぜひ認識しておきましょう。
・掃除ができないのでホコリが溜まり、ダニやカビが発生して健康を害する危険がある
・害虫、害獣から細菌やウイルスを媒介して感染症にかかるリスクがある
・悪臭や害虫の発生によって近隣住民とトラブルに発展するおそれがある
・コンセントと電源プラグの間に溜まったホコリによる火災の危険がある
片付けられない場合は、業者に相談を!
自力で片付けるのが難しい場合は、汚部屋・ゴミ屋敷片付けの専門業者に相談しましょう。
片付けのプロなので、安心して任せられます。業者によってはハウスクリーニングやリフォームにも対応しているので、酷い汚れや傷んだ箇所もきれいに修復してもらえます。
料金が気になる方は、自分でできることだけでもしておけば節約できます。
片付けに不安がある方は、ぜひ業者の利用を検討しましょう。
まとめ
汚部屋のゴミを片付ける場合のポイントを解説しました。
・ゴミ出ししやすい部屋や玄関などから始める
・明確にゴミと判断できる物から処分する
スムーズに片付けられるかどうかを左右する重要なポイントなので押さえておきましょう。
ゴミや害虫の量が多くて手に負えない場合は、汚部屋・ゴミ屋敷片付けの専門業者に依頼するのが賢明です。ハウスクリーニングやリフォームにも対応している業者も多いので、汚部屋を早く片付けて一気に問題を解決したい人におすすめです。
当コラムをきっかけに汚部屋の片付けを始めていただけると嬉しいです。