ゴミ屋敷を自力で片付けるには?費用や日数、掃除の方法を紹介!
お役立ちコラム

「ゴミ屋敷を自力で片付けるなんて到底無理」と思っていませんか。そんなことはありません!
もちろん、汚れの程度によっては無理をせず業者に依頼しなければなりませんが、条件さえ整っていれば自力でゴミ屋敷をきれいに片付けることはできます。
ただし、片付けを成功させるためには「事前準備」と「計画性」が欠かせません

スケジュールの組み立て方や必要な道具、掃除方法に費用のことまで詳しく紹介しますので、自力で片付けるときの参考にしてください。

この記事の監修者

小西 清香氏(整理収納アドバイザー)

小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。

ゴミ屋敷を自力で片付けるための3つの条件

ゴミ屋敷を自力で片付けるための3つの条件

「ゴミ屋敷を自力で片付けたい」と思ったら、その基準を満たしているかを確認しましょう。  

自力でゴミ屋敷を片付ける3つの基準

まずは自分で片付けられるレベルなのか、業者に依頼するレベルなのかを見極めることが大切です。
次の3つの条件に当てはまっていれば、自力でゴミ屋敷を片付けることができます。  

部屋数が少ない

部屋が広く物が多ければ、片付けに時間と労力がかかり、やる気も徐々に薄れていくでしょう。
自宅がゴミ屋敷状態と呼ばれるほど物で溢れている場合、3DKくらいの広さまでなら自力で片付けられると考えておきましょう。
一軒丸ごとの片付け・掃除を希望するなら、専門業者への依頼を推奨します。  

キッチンや洗面所などの水回りが使える

掃除をするには雑巾を絞ったり、汚れ物を洗い流したりする必要があるので、水回りが正常に機能していなければなりません。
ペットボトルやゴミがキッチンのシンクや洗面台などに溜まっていて水を使用できないなら、専門業者に片付けを依頼しましょう。  

生活に支障がない

家中に物が溢れていながらも住人が生活できているのであれば、単に物が多いためにゴミ屋敷になっていると考えられます。
この場合、必要な物と不要な物を仕分けて整理すればきれいに片付けられます。
このときに大切なのは、不要な物をただ処分するのではなく、必要な物を収納する場所をきちんと決めて整理することです。
そうすれば片付けの習慣が身につきやすくなり、ゴミ屋敷の再発を防止できます。

ゴミ屋敷を自力で片付ける方法

ゴミ屋敷を自力で片付ける方法

ゴミ屋敷の片付けは家庭で行う掃除の延長ではありません。
入念な事前準備が不可欠です。  

人手の確保とスケジュールの組み立て

自力で片付けられる条件が整っていても一人では無理です。家族や友人を最低でも3人以上集めて、2~4日をかけて片付ける計画を立てましょう。

自宅がゴミ屋敷化しているのを誰かに知られるのは抵抗があるかもしれませんが、ゴミ屋敷から脱出するためには、周囲のサポートは欠かせません。現状を理解してもらうことがゴミ屋敷片付けを始める最初の一歩なのです。

全員で手分けしながら一気に進められれば効率的ですが、難しい場合は、人数や日にちを分けて一部屋ずつ片付けていきましょう。  

必要な掃除道具を準備する

マスク、作業用手袋、エプロン

衛生面や作業効率を考えると必要です。取り替え分を考慮して、人数分の3倍程度を準備しておけば安心です。  

大量のゴミ袋

自治体指定のゴミ袋が基本ですが、指定外でも問題がなければ、丈夫で破れにくい大きなゴミ袋を用意します。ゴミの量にもよりますが、最低でも100枚以上は準備しておきましょう。  

新聞紙などの緩衝材、ガムテープ、紐

割れ物や先端が鋭利な物は包んで処分できるように新聞紙などの緩衝材を準備しておきましょう。新聞紙を巻き付けるガムテープや、本や雑誌をまとめる紐などの梱包資材もあれば片付けが捗ります。  

掃除用具

片付けたあとに室内を掃除するための道具も必要です。掃除機やフローリングモップ、雑巾、洗剤など基本的な掃除道具で大丈夫です。  

殺虫剤

生ゴミが多いとゴキブリやハエが間違いなく発生しています。片付けるたびに目にすると気分も滅入ると思いますので、掃除前に部屋全体に効果がある霧状のゴキブリ駆除剤を使用し、片付け中は殺傷能力の高いスプレー式の物で対処すると効率よく作業できます。
蚊取り線香も重宝します。小バエの退治とゴミの悪臭を和らげる効果があるので、ゴミに火が燃え移らないよう注意しながら、作業中は常に焚いておくといいでしょう。  

ゴミを積み込む軽トラックなどの車両

ゴミを集積所やゴミ処理センターに運ぶためには車両が必要です。もし用意できない場合は、不用品回収やゴミ屋敷片付けの専門業者に回収のみを依頼することもできます。  

ゴミの回収日、ゴミ処理センターの利用条件を確認する

片付けたゴミを自宅に溜め込まないよう、自治体のゴミ回収日を必ず確認しておきましょう。しかし、可燃ゴミや不燃ゴミなどゴミの種類によって集積所に出せる日が決まっているため、多種多様なゴミが混在しているゴミ屋敷の片付け作業をゴミの回収日に合わせて行うのは正直難しいと思います。
そのような場合は、自治体のゴミ処理センターに持ち込んで処分できます。平日はほとんどの自治体で受け付けていますので、お住まいの自治体のホームページで受付時間や持ち込み条件を確認しておけば、作業当日に困りません。

*大阪市でゴミを持ち込んで処分する場合

持ち込み手数料:10キログラムごとに90円
予約:必要(居住区またはゴミの発生区を担当する処理施設に電話予約する)

参照:大阪市『ごみの持ち込み』

ゴミ屋敷の片付け方

ゴミ屋敷の片付け方

片付けの手順を説明します。  

害虫を駆除する

掃除の前日に霧状の駆除剤で室内に潜む害虫を駆除します。
小型のゴキブリや小バエはほぼ全滅し、大型のゴキブリもかなり弱らせることができます。もし、この段階で駆除がうまくいっていないようなら想像以上に大量発生していると考えられるため、ゴミ屋敷片付けの専門業者に依頼するのが賢明です。  

入口から片付けを始める

片付けは入口付近にあるゴミから処分します。
ここで重要なのは、ペットボトルや空の弁当容器、缶類など、明らかにゴミとわかる物をどんどんゴミ袋に入れることです。ゴミかわからない物はとりあえず後回しで構いません。
とにかくゴミの量を減らすことを心掛けましょう。

作業中は必ず殺虫剤を携帯してください。目には入らなくてもゴミの下には大きなゴキブリや害虫が潜んでいるはずなので、噴射しながら作業すると進めやすくなります。

ゲーム感覚で片付ける

「部屋全体を片付けなければいけない」と考えると意欲が削がれるので、「とりあえず1㎡のゴミを片付ける!」と自分でルールを決め、慣れてきたら「1㎡を10分以内できれいにする!」というようにスポーツやゲーム感覚で時間を決めて作業するとモチベーションを維持しやすくなります。
作業を苦痛に感じるかもしれませんが、工夫して片付けを楽しむことも大切です。  

ゴミの量を減らしてから仕分けをする

部屋中のゴミを回収したら、ゴミかどうかわからなかった物を仕分けます。
このときに「残す物」「捨てる物」「保留する物」に仕分けると作業がスムーズに進みます。
ただし、何でもかんでも「保留する物」に入れてしまうと片付けの意味がなくなるので、どうしても判断できない物だけを「保留する物」に仕分けましょう。  

仕分けのポイント

1.すべて処分する
現金や貴金属類を除いてすべて処分するなど、いらないと思うものはすべて処分しましょう。

⒉.思い出の品物は量を決めて保管する
アルバムや写真、玩具類など思い入れのある品物は段ボール1箱に収めるようにするなど、量を決めて保管するとうまく整理できます。

3.いつか使うかもしれない物は処分する
ゴミ屋敷に住む人は「いつか必要になるから捨てられない」と思う傾向が強いですが、今必要なければ捨てましょう。
ゴミ屋敷片付けで大事なのは「いつか」ではなく、「今」必要かどうかです。  

ゴミの搬出と掃除

ゴミをすべて自宅から出したら、掃除をします。
掃除機でホコリを取り除いてから普段よりも入念にモップや雑巾がけをします。特に生ゴミやジュースの紙パックなどから出た浸出液は、強力な洗剤できれいに洗浄しなければ害虫が寄ってきます。
床や壁が腐食していたり、何度掃除しても汚れや臭いが再発したりする場合は、リフォームやハウスクリーニングで対処することも検討しましょう。

片付けにかかる日数の目安

3DKまでの広さのゴミ屋敷を自力で片付ける場合、人数にもよりますが、所要時間は24時間~30時間程度と考えておきましょう。
一日7時間作業するとしたら4日前後はかかる見込みです。
モチベーションを維持するのは難しいかもしれませんが、4日後にはきれいな部屋で過ごしていると思えば、俄然やる気も継続できるのではないでしょうか。
目標を立てて、イメージしながら取り組めば乗り越えやすくなります。

要注意!ゴミ屋敷のリバウンドを防ぐコツ

せっかく片付いてスッキリしたのに、またゴミ屋敷になってしまえば費やした苦労が水の泡に……。
リバウンドを防ぐ3つのコツをお伝えしておきます。

①物は決まった場所に片付ける
整理整頓の基本は、それぞれの収納場所を決めることです。文具類は同じ引き出しの中に収納するなど、物を種類ごとにわけて保管し、いつも定位置にしまうようにすればなくす心配はありません。

②保留した物は1カ月以内に仕分ける
時間が経つと忘れてそのまま放置してしまうおそれがあります。それでは結局物が減らないので、遅くても1カ月を目途に処分しましょう。

③捨てるときのことを考えて物を買う
通常のゴミで出せない物は処分の機会を逃してそのまま放置しがちです。新しく物を買うときは、処分方法を考えるようにしましょう。

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自力で片付けるメリットとデメリット

自力で片付けるメリットとデメリット

メリット

費用が安く済む

業者に依頼するより費用を安く抑えられることが最大のメリットです。
もちろん、掃除道具や洗剤、殺虫剤などの費用はかかりますが、それほど大きな金額にはなりません。

ゴミ屋敷片付けプログレスの費用相場  

自分のペースで片付けられる

時間はかかっても自分のペースで片付けられるので、じっくりと取り組めます。  

デメリット

手間がかかる

自力で片付ける場合はゴミを分類しなければならないので、とにかく時間と手間がかかります。予想以上に体力や気力を消耗すると心得ておきましょう。  

大量のゴミを自分で処分しなければならない

ゴミ屋敷の片付けではゴミ袋が何十袋にもなることがありますが、すべて自分で処分する必要があります。集積所やゴミ処理センターへの搬出だけでも大きな負担がかかります。  

消毒作業や掃除が隅々にまで行き届きにくい 

ある程度の害虫駆除や消臭はできても、完全に除去するのは難しいかもしれません。
再発するたびに同じことを繰り返しても費用がかさむだけなので、自力で対処できないと思ったら早めにハウスクリーニングや害虫駆除の専門業者に依頼したほうが賢明です。

ゴミ屋敷に潜む危険!問題点を解説

ゴミ屋敷に潜む危険!問題点を解説

「自分の家の中が汚いだけで、誰かに迷惑をかけているわけじゃない」。このような独りよがりの考えは社会生活で通用しません。ゴミ屋敷の生活にはそこに住む住人だけではなく、近隣住民をも巻き込む多くの危険をはらんでいることを認識しておかなければなりません。  

悪臭による問題

ゴミの中に生ゴミが混ざっていると強烈な腐食臭を放ちます。
特に春から夏の時期は悪臭がひどく、近隣住民からクレームを受けトラブルになる可能性も否めません。  

害虫や害獣の問題と健康被害

生ゴミを放置しているとゴキブリやハエなどの害虫やネズミなどの害獣はもちろんのこと、大量のホコリやカビによってダニも発生します。
住人自身の健康に被害が及ぶだけではなく、近隣住民にも病原菌や環境被害を広めるおそれがあり、トラブルに発展することも考えられます。  

火災の危険

ゴミ屋敷は物が多いため、何かのきっかけで火がつけば一気に燃え広がります。隣接する住宅や建物を巻き込んで大火災になる可能性も高く、非常に危険です。

筆者の知り合いに、自宅近所にあるゴミ屋敷を見て家のメンテナンスを始めた人がいます。知人の自宅は物が溢れたり汚れが目立ったりしているわけではありませんが、老後に不自由しないよう自分の体が元気なうちに、自宅を修繕しておこうと思い立ったそうです。
ゴミ屋敷の住人は高齢者で思うように片付けができなかったそうですが、瞬く間にゴミ屋敷へと変貌を遂げるスピードの速さに知人は驚いたと言っていました。  

自力で片付けられない場合は専門業者に依頼する

次のような場合は迷わずにゴミ屋敷片付けの専門業者に依頼しましょう。

・3DK以上の広さ
・足の踏み場がないほどゴミが一面に溜まっている
・害虫が大量に発生している
・水回りが使えない
・短時間できれいにしてほしい

3DK以上の広さであっても、ペットボトルのようにゴミとわかる物だけでも自分で処分しておけば業者に払う費用を抑えられます。自力でできることは進めておくと良いでしょう。

まとめ

ゴミ屋敷を自力で片付けるのは不可能ではありません。しかし、部屋の間取りや人数の確保など、片付けられる条件を満たす必要があります。あまりにも手に負えない状態なら、ゴミ屋敷片付けの専門業者に依頼するのが賢明です。
ゴミ屋敷状態の部屋を片付ける手順やリバウンドを防ぐ方法、ゴミ屋敷を放置する危険性など、まさに今ゴミ屋敷片付けを検討している方に有益な情報を紹介しました。
自力でゴミ屋敷を片付けようと考えている方は、ぜひ参考にして取り組んでください。

この記事の執筆者

執筆者

株式会社プログレス
編集部 F・N

遺品整理やゴミ屋敷の問題、疑問、関心を先回りして発見し、問題提起するプログレスきってのリサーチャー。
「身近に起きる不用品処分やゴミ屋敷問題の悩みを記事でサポートする」をモットーに、プログレス各種サイトのコラムを執筆中。

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