ゴミ屋敷ができる原因はご存じですか。
ゴミ屋敷の原因は怠惰だけではなく心の病気(精神疾患)も一つの原因とも言われております。
つまりゴミ屋敷住民だと気が付くことができても、自分の心に問題があると理解できなければいくら片付けてもゴミ屋敷に戻ってしまうということです。
今回はそんなゴミ屋敷の原因の一つである、心の病気(精神疾患)について紹介いたします。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
ゴミ屋敷を作ってしまう原因は怠惰なだけではない
ゴミ屋敷と聞くと、片付けられないといったイメージから何となく怠惰な方を想像してしまいますが、すべてのゴミ屋敷の原因が怠惰なわけではありません。
ゴミ屋敷になる大きな原因として心の病気(精神疾患)が存在します。
心の病気(精神疾患)になると「物の把握が難しくなる」「無気力になって、何も手につかない」といった状態となることがあります。
この状態であれば、周りの方の「なぜ片付けられないんだ」の言葉がゴミ屋敷住民の耳に届くことはありません。
怒られたり、苦情を言われても、心に問題があるため、自分自身を奮い立たせることや律することができません。
ゴミ屋敷にしてしまう主な疾患7つ
では、次にゴミ屋敷にしてしまう主な心の病気(精神疾患)について紹介します。
・買い物依存症
買い物依存症とは、買い物の際に得られる高揚感が一時的に嫌なことを忘れたりストレスを解消させるため、買うことだけが目的になってしまう症状のことです。
つまり、買い物依存症は必要なものや欲しいものを買うのではなく、買い物自体に目的があるので、家に持ち帰っても使うことはなく、家に物がたまります。
・ため込み症
ためこみ症とは、道端で配られていたチラシや空のカップ麺の器などを「まだ使えるから」という理由でためこんでしまう症状のことです。
心の底からまだ使えると考えているため、捨てるのには非常に強い苦痛を感じます。
強いストレスを受けて発症するケースもありますが、遺伝的理由も多いそうです。
そして、自分がためこみ症であるという認識を持つのが非常に困難であるため、治療が難しいとされています。
・セルフネグレクト
セルフネグレクトとは簡単に言えば自分の生活に無頓着になってしまう症状のことです。
食事や入浴などもおろそかになるため、掃除などもできません。
強いストレスや認知症、うつ病の症状から引き起こされることが多いです。
・うつ病
うつ病とは主に気力がなくなってしまう症状のことです。
仕事や家事に集中できなくなり、快適に日々の生活を送れなくなります。
また、今まで楽しいと思えていたことも楽しいと感じられなくなるため、ずっと落ち込んだ状態になってしまいます。
食欲が失くなったり、眠れなくなったり、疲れやすくなるといったさまざまなデメリットを及ぼします。
・認知症
認知症とは文字のごとく物や行動の認知ができなくなる症状のことです。
掃除そのものの存在を忘れたり、掃除方法を忘れたりしてしまいます。
さらにゴミの分別方法もわからなくなり、ゴミを捨てられずに室内に溜め込んでしまいます。
その結果、部屋に物がたまりゴミ屋敷となってしまいます。
最近は若い方の発症も多く、高齢者だけの症状とは言えなくなってきています。
・統合失調症
統合失調症とは幻覚と妄想が起こり、考えがまとまらなくなってしまう症状のことです。
幻覚や妄想が起こるため、今の状況を自分自身ではっきりと把握することができません。
つまり、自分の部屋がきれいなのか、汚いのか把握できない状況に陥ってしまいます。
・OCD(強迫性障害)
OCDとは手を何度も洗う、外出時、火元や電気への心配が繰り返し頭に浮かぶといった症状です。
そのため、今やるべきことに集中できません。
片付けや掃除の際も他のことに注意がそがれるため、片付けが進まず、ゴミ屋敷となってしまいます。
このように心の病気(精神疾患)によって片付けがうまく進められない方は数多くいらっしゃいます。
心の病気以外の理由でゴミ屋敷が生まれる場合も
先の章であげた心の病気(精神疾患)以外にも片付けがうまく進められない方が存在します。
その状況とは発達障害や性格的な理由です。
発達障害とは病気とは違い、簡単に言えば人の得意、不得意が目に見えて大きい方のことを指します。そのためある分野のことは一流だが、他の分野はさっぱりといった状態です。
・ADHD(注意欠陥多動性障害)
ADHDは注意を持続させるのが困難かつ、順序だてて行動することが難しいため、片付けや掃除を効率良く進めることができません。
また、思ったことをすぐに話したり、行動したりしてしまうため、掃除中に掃除そのものを忘れてしまうこともあるそうです。
・自閉症スペクトラム障害
相手の気持ちを理解するのが非常に困難です。
また、物への執着が強いとも言われており、ため込み症となりやすいと考えられています。
もしため込み症になり、近隣の方に注意を受けた場合、人の気持ちが理解できないことと物への執着から、注意されたことがまったく理解できず、何を言われているのか分からなくなってしまう場合が考えられます。
また、性格が原因で、片付けが上手に進められない方もいらっしゃいます。
主な理由が
・もったいない(ためこみ症を引き起こしやすい)
・汚いものを触れない(悪化すると強迫性障害とも言われる)
・孤独感を感じやすい(セルフネグレクト、ためこみ症を引き起こしやすい)
このように発達障害によって片付けられない方や性格を真の原因として心の病気(精神疾患)を発症してしまう方もいらっしゃいます。
ご相談・お見積もり無料ゴミ屋敷片付けプログレスは
日本全国対応
※許認可の関係等で現在対応できない地域も一部ございます。
心の病気(精神疾患)によるゴミ屋敷問題の解決方法
では、この状況になってしまった場合はどのように解決すればよいのでしょうか。
解決方法は一つしかありません。
心の病気(精神疾患)や発達障害、性格的な原因を治療するしかありません。
もちろん症状次第で治りやすさ、治りにくさはありますが、投薬などで症状が軽くなる場合もあるため、さまざまな治療方法を検討するようにしましょう。
またこれらの多くの疾患は一人で解決するのは非常に困難です。
そのため、挫折しそうな時や苦しい時に寄り添ってくれるサポーターを見つけるのが重要です。
一人で抱え込めば、自分の原因と向き合いながらゴミ屋敷も解決するといった、非常にハードルの高い状況となってしまいます。
ゴミ屋敷問題について周りができること
では、最後に近隣住民がゴミ屋敷住民にゴミ屋敷を解決してもらいたいときはどうすればよいのでしょうか。
まず一番初めにやるべきことは、ゴミ屋敷住民が心の病気(精神疾患)ではないか疑うことです。
ここまで片付けていないのは単なる忙しさかもしれませんし、今回の記事で紹介している心の病気(精神疾患)などのせいかもしれません。
物を大量に持ち込んでいる姿などが確認できれば心の病気(精神疾患)などの可能性が高く、朝早くから外出して深夜まで帰ってこないのであれば、単に忙しいだけかもしれません。
このように観察することが大切です。
そして、絶対にしてはいけないのがゴミ屋敷を勝手に片付けたり、押しかけてゴミ屋敷住民に文句を言うことです。
もし、ゴミ屋敷住民が心の病気(精神疾患)などの原因を持っていた場合、ゴミ屋敷住民は「片付けたいけれど片付けられない」もしくは「片付けの存在さえわかっていない」といった状態です。
そんな方に文句が伝わるわけがありません。むしろお互いにぎくしゃくしてしまうだけです。
そのため、心の病気(精神疾患)が疑われる場合は治療を勧めたり、協力者となれるようゴミ屋敷住民と仲良くし、サポートするなどの方法があります。
また、ゴミ屋敷住民の親族の連絡先を知っていれば、疑われる病気などの治療を依頼することができるかもしれません。
まとめ
心の病気(精神疾患)はゴミ屋敷の大きな原因の一つであることがお判りいただけたと思います。
心の病気(精神疾患)は自覚症状を持つのが非常に難しいからこそ、周りの方の手助けが非常に重要となってきます。
自分の部屋がゴミ屋敷になって悩む方も、近隣住民がゴミ屋敷であり悩んでいる方も、ゴミ屋敷の背後に心の病気(精神疾患)などの原因はないか考えてみるのがおすすめです。
この記事で少しでもゴミ屋敷の心の病気(精神疾患)の知識が深まりましたら幸いです。
お読みいただきありがとうございます。