近年社会問題となっているゴミ屋敷。
ゴミ屋敷は住人に健康被害を及ぼしたり、近隣に異臭や害虫などの迷惑をかけたりすることもある迷惑行為です。
しかし、このような状態になっても「なぜ住人は片付けず暮らしているのか」そのような疑問を持ちますよね。
ゴミ屋敷の原因となってしまうのは、「ただ片付けられない人」というイメージもありますが、様々な病気や心理的な原因が隠れていることもあります。
今回はゴミ屋敷のなぜ?について詳しく解説していきます。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
ゴミ屋敷とは家の中がゴミや物で埋まっている建物のこと
ゴミ屋敷に定義のようなものはありませんが、一般的には家の中にゴミや物が散乱していて生活できるスペースがほとんどないような状態を「ゴミ屋敷」と呼んでいます。
ゴミや物が家の中だけでは収まらず、ベランダや庭などの敷地内いっぱいに置かれている状態のケースも多く、通行や近隣の人に迷惑をかけてしまうため近年はニュースなどに取り上げられ社会問題となっています。
なぜゴミ屋敷ができるのか?5つの理由を解説
ゴミ屋敷に住んでいる人は始めからゴミ屋敷にしたくてしている訳ではありません。
何らかの理由や原因があってゴミ屋敷となってしまうケースがほとんどです。
この章ではなぜゴミ屋敷となるのか考えられる理由や原因についてご紹介します。
・物が捨てられない
物を捨てることができず、どんどん物が多くなってゴミ屋敷となってしまうケースもあります。
「捨てる=もったいない」という心理で捨てられない場合や他の人が価値がないというものに対して必要なものと認識している場合などがあります。
物が捨てられない人の中には「ためこみ症」という障害が関係しているケースもあります。
・必要以上に物を買う
当たり前ですが必要以上に物を買うと、家の中に物が溢れてきます。
買った分だけ捨てる習慣があればいいのですが、物を捨てずに買い続けるとゴミ屋敷となってしまいます。
買い物をストレス発散にしている方も多いですが、度が過ぎる場合は「買い物依存症」という心の病気が関係しているケースもあります。
・片付ける時間がない
片付けたくても仕事や育児などが忙しくて「片付ける時間がない」という理由でゴミ屋敷となってしまう場合もあります。
片付けを後回しにすればするほど、片付けに時間がかかる状態になってなってしまいます。
仕事が夜勤など時間が不規則で、決まっているゴミ出しの日にゴミを出せずどんどんゴミが溜まっていきゴミ屋敷となってしまうケースもあります。
・体が不自由で片付けられない
高齢や病気などで思ったように体が動かなくなり、片付けられなくなってゴミ屋敷となってしまうケースも少なくありません。
そのような場合は親戚や周りの人に生活をサポートしてもらう必要がありますが、頼る人がおらずゴミ屋敷で孤独に生活しているという方もいます。
・認知症や精神的な病気
認知症や精神的な病気から物を片付けられなくなりゴミ屋敷となってしまうこともあります。
「急に物忘れがひどくなりゴミの日を忘れてしまう」「うつ病などのきっかけから何もかも気力を無くしてしまい片付けなくなる」などからゴミ屋敷化が進んでいって最終的には手がつけられなくなることもあります。
ゴミ屋敷に住み続けると生活が脅かされる可能性も
ゴミ屋敷に住み続けることは住んでいる本人に悪い影響を与えてしまいます。
ゴミ屋敷には様々な害虫やウイルスが発生します。
そのため、感染症や食中毒、皮膚病、ぜんそくなどの病気になるリスクが上がります。
また、汚い部屋に住み続けることで精神的に暗い気持ちになってうつ病になってしまうリスクもあります。
うつ病になるとさらにゴミ屋敷化が進み悪循環になり、抜け出せなくなることもあります。
さらに部屋にゴミが散乱していると踏んでしまったり、上から物が落ちてきたりしてケガをするリスクが上がります。
そして漏電や自然発火によってゴミが燃え、火災を発生させる要因になります。
ゴミ屋敷で地震が発生すると、地震によって崩れたゴミに下敷きになったり、逃げ道をふさがれて逃げ遅れてしまうなどのリスクも考えられます。
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ゴミ屋敷を片付けさせるためには原因を探ろう
家族や周りの人がゴミ屋敷に住んでいる場合は「なぜこんな状態で平気で暮らせるんだ」と問い詰めたくなる気持ちになることもあります。
しかし、病気などを抱えていて、本人は自覚をしていないケースも少なくありません。
ゴミ屋敷を片付けもらうためには、一緒にゴミ屋敷を作ってしまった原因を知ることから始めてみましょう。
・原因を知る
まずはなぜゴミ屋敷になってしまっているかという原因を知ることが大切です。
「体が不自由で物理的に片付けられないのか」「精神的な病気になって片付けられないのか」「そもそも片付けること自体が苦手なのか」など原因を知るためにゆっくり家族と話してみましょう。
・専門家へ相談
ゴミ屋敷になっている原因が何らかの病気が疑われる場合は、医者など専門家へ相談する必要があります。
本人の自覚がなく嫌がる場合は、無理に連れていくと信頼関係が壊れてしまうこともあるため気をつけましょう。
・部屋を片付ける
部屋を片付ける際はできるだけ多い人数でするようにしましょう。
どうしても自分たちでは片付けられない量がある場合は、ゴミ屋敷片付け業者に依頼するのがおすすめです。
プロに依頼した場合は異臭や害虫駆除なども一緒にしてもらえます。
・再発を防ぐ
ゴミ屋敷を一度綺麗にしても、すぐに元に戻ってしまうケースも少なくありません。
「新しい物が増えたら一つ捨てる」「定期的に人を呼んで見てもらう」などルールを決めて再発しないようにしましょう。
ゴミ屋敷の被害を受けたら近隣住民や自治体、専門家に相談
もし、近隣にゴミ屋敷があれば異臭や害虫などの被害もあり迷惑ですよね。
直接注意しても逆ギレされて近隣トラブルへと発展してしまうこともあります。
ゴミ屋敷の被害を受けたときは、近隣住民や自治体、専門家に相談してみましょう。
・住人の家族に相談
住人以外に家族や友人などの出入りがある場合は、被害を受けていることを相談してみましょう。
・他の近隣住民と相談
ゴミ屋敷の被害は隣の家だけではないこともあります。
他に被害を受けている人もいるかもしれませんので近所の人へ相談してみましょう。
・大家や管理会社に相談
最近は集合住宅のゴミ屋敷も増えてきています。
ゴミ屋敷がマンションなどの集合住宅の場合は、大家さんや管理会社に相談してみましょう。
・自治体に相談
お住まいの地域の自治体に苦情などを相談する窓口がありますので、相談してみましょう。
相談する際は事前に苦情内容や証拠写真などを撮ってまとめておくとスムーズです。
・警察や消防に相談
警察や消防に相談して、直接住人へ注意喚起してもらえるケースもあります。
ただ、大きな近隣トラブルではない限り積極的に動いてもらえないこともあるのが現状です。
・弁護士に相談
弁護士に相談すると基本的には相談の費用がかかりますが、定期的に無料でできる相談会などを実施している自治体もありますので、それらを利用して相談してみましょう。
まとめ
ゴミ屋敷に住んでいる人は客観的に見れば「なぜこんな環境で平気で住めるのだろう」と疑問に思うと思います。
しかし、何らかの病気を抱えていたり、ストレスや生活環境などが原因でゴミ屋敷となってしまうケースがほとんどです。
周りには理解できなくても本人は捨てたくないと思っているケースもありますので、家族や近隣の人でも勝手に捨てるようなことはしないようにしましょう。
まずは理由を知り、色んな人に協力してもらい少しずつ改善していくことが大切です。