ゴミ屋敷・汚部屋の住人の心理的特徴は8つ!抜け出す方法も紹介
お役立ちコラム

メディアでも度々取り上げられるゴミ屋敷や汚部屋は、不衛生で生活しづらい環境であるにもかかわらず、なぜ生まれてしまうのでしょうか?

「片付けない」「必要以上に物を溜める」などの行為は、普通に生活している人にとっては理解しがたいかもしれません。

しかし、ゴミ屋敷・汚部屋の住人がそのような行為をするのにも実は理由があります。

当コラムでは、ゴミ屋敷・汚部屋の住人たちをそうさせる心理的特徴と根本原因、この状態から抜け出す方法まで解説いたします。

この記事の監修者

小西 清香氏(整理収納アドバイザー)

小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。

ゴミ屋敷・汚部屋を生み出す住人の心理的特徴8つを解説

ゴミ屋敷・汚部屋を生む住人の心理的特徴8つ

「片付けない」「物を溜め込む」などのゴミ屋敷・汚部屋を生み出してしまう行いをする心理的特徴には以下の8つがあります。

それぞれをわかりやすく解説していきます。

ゴミ屋敷・汚部屋を生み出す心理的特徴
  • 物を手に入れる高揚感を感じたい
  • そもそも片付け方がわからない
  • 片付けられない自分への諦め
  • 孤独感を埋めたい
  • もったいなくて捨てられない
  • 持ち物に感情移入している
  • 汚いものに触りたくない
  • ゴミと認識していない

●物を手に入れる高揚感や幸福感を得たい
物を買う瞬間に幸せを感じるため、購入品は開封すらされないまま部屋に積み重ねられゴミ同然になり、ゴミ屋敷に変貌していきます。
高揚感や幸福感を何度も得たいがために、衝動的な買い物を繰り返してしまいます。

可能性のある疾患・病気

買い物依存症

●そもそも片付け方がわからない
整理整頓の方法や掃除のやり方などがわからず、自分なりに片付けてもすぐにまた散らかしてしまいます。
両親などの身近な人も片付けが苦手だったという人も多く、自己流で片付け始めても上手くいかず挫折しがちです。
使い勝手を考慮せず収納することもあり、どこにしまったかがわからなくなって探す過程で散らかしてしまうこともあります。

可能性のある疾患・病気

発達障害(ADHD・ASD)

●片付けられない自分への諦め
「片付けては散らかす」を繰り返す、片付けが上手にできないなど、片付けたいのに片付けられない自分への苛立ちや絶望を抱えています。
「どうせ自分にはできない」という諦めの思いから、片付けへの意欲を失った状態です。

可能性のある疾患

鬱病(うつ病)、適応障害、セルフネグレクト

●孤独感を埋めたい
空いている空間をゴミなどで物理的に埋めることで、寂しさを埋めようとします。
自分の周りに物がたくさんあることで安堵感を覚えるのです。
家族や配偶者など、大切な方との離別や死別といったショックが引き金になるようです。
またSNSの普及により、他人や友人のきらびやかな投稿を見たり、SNSと現実とのギャップから疎外感や孤独感を感じる人も増えているようです。

可能性のある疾患・病気

鬱病(うつ病)、パニック障害

●もったいなくて捨てられない
なんとなく捨てられないという気持ちは誰にでもあるものです。
しかし、この心理が行き過ぎて明らかなゴミにすら「もったいない」と感じてしまっている状態です。
物のない時代を過ごしてきた高齢の方や貧困家庭で育った方に多く見られます。
ゴミ捨て場から粗大ゴミなどを拾ってきてしまうこともあります。
「全部が価値ある大切な物」という認識のため捨てられないのです。

可能性のある疾患・病気

ためこみ症

●持ち物に感情移入している
人や生き物だけでなく、物にまで感情移入してしまい「捨てること=死なせてしまうこと」のように捉えてしまいます。
「捨てたら可哀そう」と感じてしまうため、捨てることができず物が溜まっていきます。

可能性のある疾患・病気

分離不安症

●汚いものに触りたくない
潔癖傾向の強い人が、自分が出したゴミであっても触れずに溜め込んでしまいゴミ屋敷・汚部屋にしてしまうことがあります。
「汚いものに触ると自分が汚れる」「触れば細菌などに感染する」といった極端な思考からゴミを放置してしまいます。

可能性のある疾患・病気

潔癖症、強迫性障害

●ゴミとして認識していない
ゴミに対して無関心な人もいます。
そもそもゴミとして認識しておらず片付ける必要性を感じていません。

可能性のある疾患・病気

認知症、鬱病(うつ病)、セルフネグレクト

「片付けられない」を引き起こす原因は大きく4つある

「片付けられない」を引き起こす原因4つ

1章で紹介した「片付けられない人の心理的特徴」を誘発する原因は大きく4つあります。

しかし実際にはもっと複雑で、ゴミ屋敷・汚部屋に住む人達はこれらの原因が複数、あるいはすべて重なっていることがほとんどなのです。

・性格的な傾向
・身体的な問題
・過度のストレス
・精神疾患・病気

●性格的な傾向
執着しやすい、優柔不断、感情移入しやすい、などの性格も行き過ぎるとゴミをため込む心理的特徴につながります。
以下に紹介する「ストレス」や「病気」などをきっかけに、この性格的傾向が顕著になってしまうことがあるのです。

 ●身体的な問題
ケガの後遺症がある、手足が不自由、低視力といった身体的な理由で、片付けやゴミ出しが思うようにできない人もいます。
重い物が持てない、時間がかかる、少しの作業で疲弊してしまうなど、徐々にゴミ捨てが追いつかなくなります。

●過度のストレス
人間は過度のストレスにさらされ続けると、うつ状態になるなど精神に異常をきたします。
片付けに無関心になったり、孤独を覚えたりと、日常生活を営むうえで様々な問題が発生します。

●精神疾患・病気
片付けの手順がわからなくなる、片付け意欲がわかない、ゴミと認識できない、などの症状を伴う精神疾患や病気は多数あります。
ストレスや老化から発生することもあれば、発達障害のように先天的な場合もあります。
本人に自覚のないケースも多く、周囲のサポートと適切な治療が欠かせません。

ゴミ屋敷を放置してはいけない5つの理由を詳しく紹介

ゴミ屋敷を放置してはいけない理由5つ

ゴミ屋敷・汚部屋を放置することは、ゴミ屋敷住人やその近隣住民に多大な被害をもたらします。
この章では、ゴミ屋敷・汚部屋を放置するとなぜ危険なのかを解説します。

健康被害

ゴミ屋敷・汚部屋は閉め切られた空間になりやすく、ホコリがたまり湿度も高くなります。
日光も入らないため、カビやダニ、細菌などが繁殖しやすいのです。
住み続けていると免疫力の低下やアレルギーの発症を引き起こします。
住人自身が病気に罹りやすい、ケガの治りが遅い、といった状態になるだけでなく、近隣にまで病気が蔓延したりと健康被害が広がります。

害虫・害獣被害

害虫や害獣は生ゴミ、紙、衣類、人の皮膚などを食べます。
害虫や害獣にとってゴミ屋敷はエサも豊富で居心地が良い快適な環境です。
そのため住みついて繁殖し、次第に近隣住民の家に出入りするようになり、次々と被害を生み出します。
また、害虫や害獣は病気を媒介することもあり、健康面でも問題を起こします。

悪臭被害

ゴミ屋敷には数多くの生ゴミがあり、それらが腐敗することで強烈な悪臭が発生します。
それに加え、害獣が住みついているとその排泄物で悪臭はさらにひどくなります。
マンションやアパートなどの集合住宅では、隣だけでなく上下階にも臭いが漏れ出します。
悪臭が発生すると近隣住民が快適に過ごすのは困難になり、生活に悪影響を及ぼします。

落下事故・倒壊

ゴミ屋敷は物が多いため、つまずいて転んだり、ぶつけて擦り傷を作ってしまったりすることもあります。
天井近くまでゴミが積み重なっているようなケースでは、少しの振動でも崩れて落下してきます。
落下物が住人に当たればケガをしますし、それが鋭利な物や重たい物なら重大なケガをする危険性があり、致命傷になもなりかねません。

また、ゴミの重量に耐え切れず家そのものが倒壊してしまうこともあります。
倒壊した瓦礫が通行人や近隣住宅に当たれば損害賠償は免れません。

火災

ゴミ屋敷には燃えやすい物が多く、小さな火種でも引火すれば瞬く間に火が回り大規模火災へとつがります。
コンセントや電気プラグにホコリがたまって湿気を帯び、通電により火花が発生し引火するトラッキング現象も起きやすい状態です。

また、外にまで物が溢れたゴミ屋敷は放火魔にも狙われやすいと言われています。
消火にも時間がかかるため、近隣への延焼や住人が逃げ遅れる可能性も高くなり、最悪の場合、誰かが命を落とすこともあり得ます。

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片付けられない心理状態から抜け出す方法|治療とサポート

片付けられない心理状態から抜け出す方法

ゴミ屋敷・汚部屋の住人自身に「片付けられない」「意欲が湧かない」などの自覚がある場合は、以下に紹介する方法を試してください。

本人に自覚がない場合は、家族などの周囲からのサポートがとくに重要になります。
ゴミ屋敷・汚部屋にしてしまう心理と原因を理解して寄り添い、危険性も交えて話し合って二人三脚でゴミ屋敷解消を目指しましょう。
「汚い」「なんでこんな事になるの」など、本人を責めるような発言や否定するような発言は絶対にしてはいけません。
本人を追い詰め、頑なに片付けを拒絶したり、精神疾患を悪化させたりする可能性があり逆効果です。
焦らず、焦らせず、以下の方法を本人と一緒に取り組みましょう。

疾患の可能性があれば病院を受診し適切な治療を受ける

なんらかの疾患を持っている、あるいはその可能性があるなら、まずは専門医の診察を受けましょう。
適切な治療を行えば症状を緩和することができます。
薬に頼ったり専門医に相談するだけでも気持ちが軽くなることがあります。
中には完治が難しい疾患もありますが、上手に付き合っていく術を身につける機会にもなります。

人とのかかわりを持つ

孤独とゴミ屋敷は深く関係しています。
寂しさを物ではなく、人とのかかわりで埋めることで少しずつ物への執着が少なくなるはずです。
まずは家族や親しい友人から、そして徐々に趣味のコミュニティに参加してみるなど活動範囲を広げていくことを目指しましょう。

煩わしい人間関係があるなら整理する

無理をして付き合い続けることで多大なストレスを感じている人間関係なら、思い切って整理するのも良い方法です。
筆者はたくさんの人に会うと気疲れする性格で、SNSの中の華やかな人たちを見ることでも自分がみじめに感じストレスになっていました。
気分が乗らない時には勇気を出して誘いを断る、SNSをやめる、などすることで格段に落ち着いて毎日を過ごせるようになりました。

時間的な余裕を持つ

仕事や家事などに忙殺されてホッとできる時間が取れないなら、思い切って家事代行やハウスクリーニングサービスを利用するのもおすすめです。
「すべて自分でしなくてはいけない」と背負い込まず、上手に他者を頼りましょう。
そのために、あらゆるサービスが存在しているのです。

小さな片付け習慣から始める

「毎日5分間だけ片付ける」「1日に5つだけゴミを捨てる」といった、続けられそうなハードルの低い片付け習慣を設けましょう。
慣れてきたら「机の上だけ片付ける」「〇曜日はトイレ掃除」といった具合に、少しずつ作業を増やします。
また、使ったものを元の場所に戻す練習も行いましょう。

ゴミ屋敷・汚部屋の片付け業者や行政の力も借りる

ゴミ屋敷・汚部屋の片付け業者や行政の力も借りる

家族や友人のサポートが得られない状況の人もおられます。
その場合は、行政や専門業者を頼りましょう。

地域包括支援センターに相談する

身寄りのない方や高齢者、体の不自由な方には地域包括支援センターへの相談が有効です。
地域包括支援センターでは、市町村が主体となって保健士や社会福祉士、介護支援専門員などを配置しています。
片付けられない旨を相談すれば、状況に応じて必要なサービスや制度を紹介してくれたり、介護支援を受けられたりします。

ゴミ屋敷・汚部屋の片付け業者に依頼する

「どうしても片付けられない」というときにはゴミ屋敷・汚れ部屋の片付けに特化した専門業者に依頼するのがおすすめです。
彼らは、発生原因の異なる様々な現場で片付けを行ってきた経験から、ゴミ屋敷・汚れ部屋の住人の心理も熟知しています。
気持ちに寄り添いながら効率良く作業してくれますし、再発防止などの相談にも応じてくれます。

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まとめ

ゴミ屋敷・汚部屋は怠惰や悪意から作り上げられるものではありません。
住人が抱える心の問題や病気などの副産物なのです。
「なぜゴミ屋敷・汚部屋になってしまうのか」その心理や原因を知ることでゴミ屋敷を解決するヒントが得られます。
ゴミ屋敷・汚部屋は健康被害や火災など命にもかかわるリスクを伴うため、早めに原因に基づいた対処をすることが大切です。
当コラムが、少しずつでも原因を解消しゴミ屋敷・汚部屋を解消するきっかけになれば幸いです。

この記事の執筆者

執筆者

株式会社プログレス
編集部 F・N

遺品整理やゴミ屋敷の問題、疑問、関心を先回りして発見し、問題提起するプログレスきってのリサーチャー。
「身近に起きる不用品処分やゴミ屋敷問題の悩みを記事でサポートする」をモットーに、プログレス各種サイトのコラムを執筆中。

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