最初は後回しにしていただけの掃除も、膨大になってしまえばどこから手を付けてよいか分からない、簡単に手の付けられない家事になってしまうものです。
今回はそんな汚部屋の状況別の片付け方と予防方法を紹介します。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
汚部屋とは?
まず、汚部屋とはどのような状態を指すのでしょうか。
ネット記事やコラムなど様々な媒体で、汚部屋はゴミ屋敷とどのような差異があるか紹介されていますが、厳密にははっきりとした違いはありません。読んで字のごとく、汚い部屋であることが汚部屋の条件です。
ただ、汚部屋といっても人それぞれ状況が異なります。
服や日用品などが散らかった、「数日片付ければ何とかなるであろう部屋」から、「日常で出るペットボトルや紙ゴミが散乱し積み重なっている部屋」まで様々です。
そのため、汚部屋の片付け方は状況別に方法を変えなくては片付けできません。
状況別片付け方
先の章でも説明しましたが、状況別に判断して対策を行わなければ、汚部屋は片付きません。
そこで大きく4つの状況に分けて解説いたします。
・少し散らかっている
・長いこと掃除していない
・ゴミで床が見えない
・ゴミが積み重なっている
状況別に解説していきます。
少し散らかっている
一般的に汚部屋と呼ばれる部屋です。
最近、忙しくて掃除や片付けができていない方などが、このような状況になっているはずです。
しかし、このような部屋は大掃除だと思って進めれば、2日もあれば終わらせることができます。
1.片付け
まずゴミをまとめます。散らかっている服などを一カ所にまとめましょう。
また、ゴミがたまっていれば必ずまとめて、ゴミ出しに行けるようにしましょう。
2.掃除
掃除機やワイパーなどでホコリを取り、見つかった必需品は一カ所にまとめておきましょう。
3.整理
一カ所にまとめた物を整理します。
この際に「必要ない」と思ったものは思い切って捨ててしまいましょう。
また、定位置がなく、いつも散らかりがちなものは必ず定位置を決めるようにするのがおすすめです。
長期間掃除をしていない
長期間掃除をしていないとゴミなどが散乱し、ホコリなどもたまり、やや不潔感が出てきています。
また、不潔感から台所やトイレを使うのもやや抵抗がある状況です。
1.一気にやらないこと
このような状況は一日で終わらすのはほぼ不可能です。
そのためまずは一気にやらず、コツコツ進めることを心がけましょう。
どうしても一日で終わらせる必要のある場合は友人や家族への協力依頼、または業者依頼など複数人での片付けを検討しましょう。
2.ゴミを拾い、片付ける
落ちているゴミを拾い、まとめましょう。
おすすめの方法は片付ける場所を決めて、一カ所だけ徹底的に進めることです。
そうすれば、達成感を得られ、また次の機会のやる気につながります。
3.掃除、整頓
ゴミが無くなれば、一つ前の「少し散らかっている」状況です。
一つ前の片付け→掃除→整理と進めていけばきれいな部屋に戻すことができます。
ゴミで床が見えない
ここからはいわゆるゴミ屋敷と呼ばれる状況です。
この場合は、どれくらいの期間、汚部屋であったかで片付け方が大きく変わります。
壁や床に湿気がたまり、腐敗していることもあるので、必ず確認するようにしましょう。
1.自分を責めたりしない、無理をしない
まずは片付け方の前提として、ここまで汚した状況を直視すると自責の念を持ってしまいがちです。
そのため、必ず片付けしている間は自分を責めることはせず、そして無理に片付けを進めないことが重要です。
2.目に見えるゴミをゴミ袋に直接入れる(分別)
この状況であれば、ペットボトルや空の弁当ケースなど、はっきりとわかるゴミが散乱しているはずです。
しっかり分別していきましょう。
この状況では片付けても、達成感を感じにくいため時間を決めて進めましょう。
3.片付け、掃除、整頓
目に見えるゴミを片付けることができれば、残りは一つ前の「長いこと掃除していない」状況とほぼ同じです。
ゴミを片付けていきましょう。
そして床や壁が見えたら、必ず腐敗がないか確認し、ある場合はハウスクリーニングを依頼するなど対策を取りましょう。
ゴミが積み重なっている
この状況はテレビやニュースなどで取り上げられるゴミ屋敷と呼ばれる状況です。
この状況に陥ってしまう方の多くは、ため込み症や心のどこかに問題があったりと、自身で片付けることがほぼできません。
そのため、自身で片付けることが出来そうでも、まずは誰かの助けを借りて、一緒に進めるのが得策です。
一人で抱え込んでしまわないようにしましょう。
周りの方と片付け方を模索していくのが一番です。
もし、誰の力も頼れない場合は、片付け業者などに相談するのも良い方法です。
片付けないとどうなる
ここまで片付け方を紹介してきましたが、「片付けない選択肢もあるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
誰にも迷惑が掛からず、自分が気にならないならそれはそれで良いはずです。
しかし、片付けないことは周りに悪影響が必ず生じてきます。
もし今現在、問題がなくても遅かれ早かれトラブルになり得ます。
異臭
片付けない状況が続けばゴミが積み重なった汚部屋に必ず行きつきます。
その状況では必ず、異臭の問題が発生します。この異臭は近隣住民の生活に影響します。
害虫
片付けないと、家や部屋は害虫の住処になります。
害虫の住処となれば、近くの家がどれだけ清掃していても、害虫が侵入してきたり、住みついたりするなど非常に迷惑を被ります。
アパートなどの集合住宅では全ての部屋に影響します。
倒壊
そして一番危険なのがこの倒壊です。先の章で説明しましたが、ゴミの湿気で壁や床は腐敗します。
腐敗は当然倒壊の危険性が増します。さらにはゴミの重さに家が耐えられなくなることもあります。
倒壊は誰かを巻き込んでしまえば、自分の被害だけでなく誰かの命を奪ってしまうといった取り返しのつかないことを引き起こします。
このように片付けないことは最悪誰かの命を奪いかねないのです。
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汚部屋の予防
このような汚部屋を防ぐためには、あらかじめ予防しておく必要があります。
予防方法で最も重要なことを3つ紹介します。
ためこまない
基本的に汚部屋は物をためこむことで起こります。
不必要なものは持ち帰らない、買いすぎないといったことに気を付けるだけで、無理に掃除をすることなく、汚部屋を防げます。
ゴミ出しの習慣
次にゴミ出しの習慣です。
いらないものはとにかく早く捨てるという習慣を持ちましょう。
別に無理に掃除をする必要はありません。
入ってくるものと捨てるものが同量であれば、そこまでひどく汚れることはありません。
手放し方を変える
手放すことがつらい方はただ捨てるのではなく、フリマアプリや寄付などで手放し方を変えてみましょう。
また、売ることができればお金も入るので一石二鳥です。
上記以外にも予防方法はありますが、とにかく、持ち込まないことと手放すことを意識していれば、汚部屋になることは防げます。
無理に掃除を頑張り過ぎるよりも、コツコツと持ち込まない、すぐに捨てる意識を持っておくことの方が重要です。
片付ける際の注意点
最後に片付ける際の注意点を紹介します。
それは片付けをする際に、汚部屋から脱出することをゴールとしないことです。
片付けや掃除はどんなきれいな部屋に住む方でも必ず行う行為です。
つまり、片付けは半永久的に続く行為であり、汚部屋から脱出することがゴールではなく、片付けや掃除を習慣化することがゴールなのです。
習慣は簡単に手に入るものではないため、無理に進めたり頑張りすぎることは控えてください。
長いスパンでゆっくりと習慣化できるよう努めてください。
まとめ
今回紹介した方法以外にも、片付け方は存在します。
片付け方はダイエット方法や勉強方法などと同じように星の数ほどあるため、自分に合わないと思ったら、違う方法を試してみてください。試し続ければ必ず、自分に合った方法を見つけられるはずです。
この記事を読んでくださった方がきれいな部屋を手に入れられることを望んでいます。お読みいただきありがとうございます。