汚部屋から抜け出したいと決意をしても、生活用品や衣類、雑誌類など様々な物が混ざり合って放置されている現場を前にしてどこから手をつければ良いか分からず、片付けに挫折してしまう方は少なくありません。
最後まで片付けをやり遂げるためにも、まずは片付ける順番や範囲を決め、効率よく汚部屋をきれいにしていきましょう。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
汚部屋を作ってしまう原因とは?
いつの間にか室内を散らかしてしまう原因は、ただ単に片付けを面倒臭いと感じているからという理由だけでなく、室内の物が部屋の広さに対して多い、またはストレスや孤独感によってゴミを捨てられなくなる精神状態に陥っているなど、様々な理由が考えられます。
不要な物を処分したり整理したりする気力が起きず、汚部屋やゴミ屋敷が生まれてしまうのです。
必要以上の物を所持している
室内に収納できる物の数には限度があります。
そのため、室内に新しい物を置く場合は、物を出して一定の数を維持する必要があります。
室内に必要以上の物を入れると、収納スペースから溢れ出して床や物の上に散乱しやすくなります。
買い物が好きで物の置き場所を考慮せず衝動買いをしてしまう方、優柔不断で不要な物を捨てられない方はいつのまにか汚部屋を作ってしまうことが多いのです。
過労、家庭環境によるストレス
仕事や家庭環境により精神的な負担が大きくかかってしまうと、生活環境を整えることが面倒に感じてしまいます。
仕事先や人間関係で常に緊張感を持って過ごしている分、自分の部屋に戻ると気が緩んでしまい、無気力感で身の回りの掃除ができずにそのままゴミを溜め続けてしまうのです。
社会からの孤立
家族の死や離婚などによる一人暮らし、あるいは高齢化によって自宅に引きこもりがちになると、孤独感に襲われることで無気力になり、ゴミを溜め続けてしまいます。
近隣住民や行政より片付けの要請があっても、他人が自分の住まいに介入することを不快に感じ、明らかにゴミであっても捨てたくないと拒む方もいます。
挫折しない片付け方とは?
目標を決めないまま片付けに取り掛かっても、終わりの見えない作業に挫折してしまいがちです。
片付けを途中で投げ出さないためには、作業工程や時間を決めてメリハリをつけながら進めることが大切です。
片付ける順番を決める
汚部屋には様々な種類の物が散乱しています。
どこから片付けを進めれば良いのか分からず、汚部屋の様子を眺めた時点で挫折してしまう方は多いです。
まずは片付ける部屋の順番を決め、紙に書き出してみましょう。大きな作業のまとまりを書き、さらに細かく作業を分けて書き出してください。
一つでも書き出した工程を達成すれば、片付けに一歩近づいたことになります。
片付けの達成度を視覚化すれば、モチベーションが下がりにくくなります。
最初に行う作業としておすすめなのは、床に置いてある物の整理です。
ゴミの中から床が見えるだけでも、片付けのモチベーションは上がりやすくなります。
床に置かれた物を全て別の場所へ移し、必要な物と不要な物にグループ分けしましょう。
最初から細かく分別せず、まずは手元に残しておきたい物となくなっても困らない物に大きく分類分けします。
分類が終わったら、必要な物に分けた物をさらに分別していきます。品種で分類してもいいですし、置く場所によって分別しても構いません。
まずは大きなグループに分別する作業から始め、徐々に細かく物を分類していきましょう。
ご褒美を用意する
最後まで片付けをやり遂げるため、自分にご褒美を用意しておきましょう。
片付けの後に甘い物を食べる、ゲームをするなど、片付け後に得られるご褒美を用意しておけばモチベーションが下がりにくくなります。
友人を家に招く予定を立てる
強引な方法かもしれませんが、人を自宅に招く予定を立てておくとやる気を起こすことができます。
訪問日を片付けの締め切りとすることで、汚部屋を他人に見られてしまう前に片付けなければという焦燥感とやる気が生まれます。
ただし、達成できなかった場合は友人に迷惑を掛けてしまうことになりますので、余裕を持って予定を立てるようにしましょう。
汚部屋から出たゴミはどうやって処分する?
片付けによって分別した不要な物は、さらに細かく分別して品種別に処分しましょう。
空き缶やペットボトル、牛乳パックはスーパーマーケットなどに設置されているリサイクルボックスを利用すると無料で処分できます。
寝具、棚などゴミ袋に入らない大きなゴミは粗大ゴミとして処分することがほとんどです。自治体の粗大ゴミ収集ルールに従って処分するか、ご自身でゴミ処理場まで持ち込んで処分をする必要があります。
また、引き続き使用できる中古品はリサイクルショップに持ち込み、買い取ってもらうこともできます。
全ての物を買い取ってくれるわけではありませんが、処分に費用が掛かる大型の不用品を無料で引き取ってもらえるだけでなく、買取金も貰えます。
希少性の高い物や新品と変わらない状態の物は、一度買取査定に出してみるのも良いかもしれません。
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汚部屋を再び作らない方法は?
せっかく汚部屋を片付けても、ゴミを溜める癖を直さなければ再び元の状態を作ってしまいます。
ゴミを捨てる習慣を身に付けたり、物を持つ量を自分で制限することが必要です。
物を持つためのルールを決める
一年以内に着なかった服は捨てる、新しい物を買ったら古い物を捨てるなど、ご自身でルールを決めて物を管理すると部屋に不要な物が溜まりません。
また、新しい物を買うときは置く場所があるかどうか、一度冷静になって考えてみることが大切です。
不要な物を衝動買いしないことで、室内に物が溢れる原因を防止できるだけでなく、必要な物をだけを購入する思考が身につき、無駄遣いも防止することができます。
物の定位置を決める
物の定位置を決めておけば、出した物を適当な場所に放置する癖を直すことができます。
バッグはクローゼットの中、常温保存できる食べ物はキッチン棚の中など、物の種類によって保管する場所を決めてしまいましょう。
置き場所が決まっていない物は床に放置してしまいがちですが、床に物が置いてあるとそれだけで部屋が散らかっているように見えてしまいます。
物の収納場所を決め、取り出しやすく収納しやすい状態に整理しましょう。
業者の利用も検討する
どうしても片付けられない場合は汚部屋やゴミ屋敷の片付けを得意とする業者に依頼することも検討してください。
自分で掃除をするよりも費用は掛かってしまいますが、部屋全体を短時間で一気に片付けることができます。
寝具や家具など重たい不用品もスタッフが搬出してくれますし、片付けで発生したゴミも業者が処分してくれるため収集日までゴミを保管しておく必要がありません。
専門業者に片付けを依頼する場合は、必ず数社に見積もりを依頼して、納得できる内容の見積書を提示してくれる業者に依頼しましょう。
まとめ
汚部屋の片付けに挫折しないためには、すぐに作業に取り掛かるのではなく、片付ける順番や場所を決めてから始めることが大切です。
片付けの工程を細かく書き出し、少しずつ達成するようにしましょう。
達成度が目に見えるとモチベーションを保ちやすくなります。部屋から不用品を撤去した後は再び散らかさないよう、工夫をしながら物を収納してみましょう。