お家が散らかると居住空間が狭くなって心身にダメージを受けてしまう可能性があるので早めに片付ける必要があります。
アパートなどの集合住宅・賃貸物件が散らかってしまった場合にはさらに迅速な対応が求められます。
その理由と対処法についてご紹介します。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
自分の部屋は汚部屋?判断基準を紹介
テレビで取り上げられるような「ゴミ屋敷」は室内だけではなく、敷地内にまでゴミが散らばっている場合も多いため、良くも悪くも周囲から認知されやすいですが、アパート・マンションや住宅の中の一室のみが汚れてゴミが散らばっている状態の「汚部屋」は周囲からも気付かれにくく、自覚したころには対処が困難になっているケースが多いです。
そのような事態に陥らないよう、ご自身が置かれている状況を冷静に判断する必要があります。
皆様のお部屋は汚部屋になっていないでしょうか?
気になる方は以下のチェックリストであてはまるものに〇をつけて数えてみてください。
1:捨てるタイミングを逃したゴミ袋が残っている
2:脱ぎ捨てた服や食事の後の食器・空き容器などが目に届く範囲内にある
3:長い間人を部屋に招いていない or 呼ぶ気が起きない
4:部屋を閉め切っているにも関わらずたくさんの虫を見かけるようになった
5:壁や床などに目視できるほどの汚れが付いている
6:ゴミや物で床が見えなくなった
7:リモコンなど比較的目立つ品を失くすことが多くなった
上の7つのチェックリストは部屋がゴミ屋敷と化していく段階を示したものです。
あてはまる条件が多い、もしくはすでに生活上で様々な困り事が発生していて対処したい場合はすぐに片付けを始めるのがおすすめです。
汚部屋で生活するリスク
汚部屋は周囲から見れば大変過酷な状況で生活しているように見えますが、住人はそれほど不便を感じていないケースも多いです。
「賃貸物件なので退去時に貸主に迷惑がかかる」「もし事故で住人が亡くなった場合の片付け作業が大変」など将来的に他人に迷惑をかける可能性が高いですが、今現在特に困っていないという場合には別に急いで片付ける必要はないという考え方もできます。
しかし、ゴミで足の踏み場がない場合にはゴミの隙間を縫って移動しなければならない、もしくはゴミの上を歩いて渡る必要がありますが、その際に割り箸のような尖ったものを踏むなどケガをする可能性は無数にあり、腐敗したゴミの悪臭やカビによってアレルギーを発症するなど、健康面でのリスクが数えきれないほどにあります。
また、ゴミに引火して火事の原因になるなど、生命の危機につながる可能性もありますので、健康で安全に生活したいと思うなら、少しでも部屋は清潔にしておくのが無難かもしれません。
アパートを汚部屋にした場合に考えられるトラブル
アパート・マンションなど賃貸物件をゴミ屋敷にするのは、言い換えれば「人から借りているものを汚した」「近隣に住んでいる人に迷惑がかかっている」ということ。
そのため、様々なトラブルに巻き込まれる可能性があります。
トラブルの例を見てみましょう。
原状回復のトラブル
アパートなど賃貸物件から退去する際には「原状回復」が必須です。これは室内を「本来あるべき状態に戻す」行為を指す言葉であり、清掃を行う必要がありますが、その費用を借主と貸主でどのように負担するかを決める際にトラブルに発展するケースが多いです。
その際には「時間の経過によって自然に劣化したのか、住んでいる人の使い方に難があったせいなのか」「復旧工事費用の一部を負担する、の”一部”とはどのくらいの比率になるのか」などが争点となるケースが多いですが、室内がゴミ屋敷になるまで汚してしまった場合はさらに話がこじれやすくなります。
解決のために「原状回復費用・ハウスクリーニング代を借主に負担してもらうことを契約段階で定めてある場合にはそれに従う必要がある」など契約内容の見直しや過去の事例に倣って行動することになりますが、ケースによって判断と行うべき行動は異なるため、話し合いも長期化しやすいです。
近隣からのクレーム
ゴミ屋敷は周辺住民にも悪臭・害虫の拡散などで悪影響を与えます。
それが原因でクレームや喧嘩に巻き込まれたり、悪い場合には嫌がらせに発展するケースも考えられるなど、隣人トラブルの原因になる可能性が高いです。
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汚部屋アパートから退去する際のトラブル対策
アパートを汚部屋化してしまうと、住んでいる期間だけではなく退去時にもトラブルに巻き込まれる可能性があります。
賃貸物件の名の通り、借りたものを汚したままで返却するとトラブルの原因になるため、何にせよ優先してやるべきことはゴミの片付けです。
先述した原状回復やそれに伴う交渉など片付けた後にも懸念すべきことは多いですが、まずはご自身でできるゴミの処理や清掃をやっておく。
それが何よりのトラブル対策といえます。
しかし、トラブル防止のためにきちんと片付ける必要があるといっても、具体的にはどのように取り組めば効率的なのでしょうか。
アパートの汚部屋を効率よく片付ける方法
アパートの一室とはいえ、多量のゴミを片付ける必要がある事には変わりありません。
計画的に効率よく片付けることで確実・迅速に対応しましょう。
計画を立てる
ゴミの回収日や部屋・汚れの規模、ご自身の気力・体力をもとにして、短くて1週間、または余裕を持って1カ月単位を目安に段階的に片付けていくなど目標を持って片付けるのがおすすめです。
一日で汚部屋レベルにまで散らかった部屋を片付けるのはほぼ不可能です。
片付けるべきゴミの量が多く途中で挫折してしまう可能性が高いうえ、分別したゴミはアパート・自治体の取り決め通りの曜日に出す必要があるため、当日まではゴミ袋は自分で保管しておく必要があります。
急いだところで急に部屋が片付くわけではないのです。
ゴミの出し方を調べておく
汚部屋を片付ける際には自治体の取り決め通りに分別してゴミ袋につめる必要がありますが、いわゆる粗大ゴミのようなゴミステーションに出せない品を処分する際には自治体へ連絡して回収依頼をする必要があります。
その場合、連絡してすぐ対応してもらえない可能性もありますので、先述した片付け計画を立てる際には「捨てる予定のある粗大ゴミの把握」「お住まいの自治体での捨て方」などゴミの捨て方も織り込んで計画を設定するのがおすすめです。
また、ゴミを出す際にもアパートの場合は分別したゴミは専門のゴミステーションに出す必要があるため「1日に出せるゴミ袋の数」「出す時間帯」を守り、周囲の人に迷惑をかけないようにルールに従って捨てるようにしましょう。
専門業者に依頼する
ご自身での対処が面倒、もしくは困難な場合には、ゴミ屋敷片付けの専門業者に依頼するのもおすすめです。
ゴミの仕分けから回収、その後の簡易清掃まで一括で請け負ってくれる業者に依頼すれば片付けの負担を最小限に抑えたうえでキレイなお部屋を取り戻すことができます。
また、アパートでの作業の際は「出たゴミは業者で回収してくれるのでゴミステーションを圧迫しない」「共有スペースを汚さないための養生作業」などに配慮してもらえるなどのメリットがあります。
汚れがひどい場合には、害虫駆除・消臭作業など原状回復をサポートしてくれるオプションサービスを付けてもらえる業者を選ぶのもおすすめです。
まとめ
アパートが汚部屋状態になると近隣の方や物件のオーナーのような貸主など、多くの方に迷惑をかけてしまいます。それに加えてご自身の健康で清潔な生活のためにも、早めに片付けに着手するのがおすすめです。
その際には「途中で挫折しないために作業計画を立てる」「お住まいの自治体とアパートでのゴミの処分方法を調べておく」のを忘れないことが大切です。
どうしても難しい場合にはまとめて業者に依頼するなど、ご自身の片付けへのモチベーション、汚れと部屋の規模に合わせて冷静に判断しましょう。