テレビ番組でも頻繁に取り上げられるほどゴミ屋敷問題は一般化しています。
「自分には関係がない」と思っていた人でも身近な人の部屋がゴミ屋敷状態になってしまったり、自分自身がゴミ屋敷の住人になっていた、ということも起こり得ます。
現在、ゴミ屋敷状態の部屋に住み、なんとかしたいと思っている人も多いでしょう。
とはいえ「何から始めれば良いのか分からない」「労力を考えると動けない」など、悩みもたくさんあると思います。
このコラムではゴミ屋敷克服のための3ステップをご紹介します。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
ゴミ屋敷を克服するメリット
メリット1:健康的になる
ゴミを大量に放置していると菌の繁殖やハウスダスト、害虫の発生などによる健康被害が懸念されます。
片付け、清掃をしたことで肌荒れが治ったり、アレルギー症状が軽減されたり、風邪をひきにくくなったという報告がされており、健康面での良い影響が期待できます。
また、ストレスが軽減され精神的な面での改善もみられます。
メリット2:周りの人たちとの人間関係を改善できる
ゴミ屋敷の場合、家の周囲まで悪臭が広がり、害虫が隣近所にまで入り込むなど、近隣へ被害が及ぶこともあります。
また賃貸物件なら管理会社や大家さんにまで迷惑を掛けることになります。
友達を家に呼ぶこともできず、家族ともゴミ屋敷が原因でもめてしまうことも多いようです。
これでは周りの人たちとの関係は悪化するばかりです。
ゴミ屋敷を克服することで周囲との人間関係も改善します。
メリット3:火災・事故の危険性が減る
ゴミ屋敷ではほんの少しの火種でも引火しやすく、炎が燃え広がり、火災になる危険が高いのです。
また放火のターゲットにもなりやすいそうです。
物が多いため住人は火災に気付きにくく、物が障害になり逃げ遅れる可能性も高く、大惨事になりかねません。
地震の際には、溢れた物が崩れやすく、頭をぶつけたり、下敷きになったりと怪我に繋がります。
片付けることでこれらの危険性を大幅に軽減することができます。
ゴミ屋敷克服のための3ステップ
ゴミ屋敷を克服するためには、「原因の究明」「解決のための対応」「今後の対策」の3つを行う必要があります。
1:「なぜゴミ屋敷になってしまったのか」という根本の「原因を知る」
2:現状をリセットするために溢れかえったゴミや物を「捨てる・掃除する」
3:きれいになった部屋を保つための「散らからないコツ」を覚えて実践する
どれか一つでも欠けてしまうと、部屋はゴミ屋敷に戻ってしまう可能性が高いのです。次章からはそれぞれのステップについて詳しく説明します。
ステップ1:根本の原因を知る
ゴミ屋敷になってしまう原因は人によってさまざまです。
単に「片付けが苦手」という人ばかりではありません。自身の原因を知ることで、対応策が見いだせ、解決の糸口になるのです。
具体的な原因をいくつかご紹介します。
ついたくさん買ってしまう
「セール品をみるとたくさん買いだめしてしまう」など、買い物の際についたくさん買ってしまうという人です。
今の時代、コンビニやスーパー、ネット通販などで、すぐに買い物ができます。
必要になってから購入してもほとんどの場合、問題ありません。買いだめグセを自覚し、直すようにしましょう。
物を捨てられない
プレゼントや引き出物など、人から頂いたものや、昔好きで集めていたもの、着ていない洋服など、今は使っていないものでも捨てられなくて溜め込んでしまう人です。
もったいないという気持ちも理解できますが、使わずにしまっているのももったいないことです。
必要としてくれる人の元に届けられるよう、買取に出す、欲しい人に譲るなどしましょう。
忙しい・不規則な生活でゴミ出しできない
夜勤のある仕事についておりゴミ出しの際に起きられない、家にいないという人や、「忙しくて家には寝に帰るだけ」という人もいます。
出せる時にまとめて処分できるように日頃から準備しておく、家族や友人を頼る、家事代行サービスやハウスキーパーを頼む、などの対策ができそうです。
片付けを促してくれる人が周りにいない
自分自身では今の部屋の状態がゴミ屋敷なのか気付いていない、という人もいます。
実家が遠くて家族もあまり来ない、自宅に友人を招くこともない、という人なら「散らかっている」という指摘を受けることもありません。
「家族が来たらなんと言うだろうか」「友人が見たらどう思うだろうか」という客観的な視点を持つようにしましょう。
加齢による認知能力・体力の低下
加齢によって認知能力が低下すると、必要なものと不用なものとの判断がつきにくくなります。また体力も落ちているためゴミの分別や大掃除といったことも難しくなります。
日頃から家族や親族、周りの人がコミュニケーションを取るようにし、気にかけてあげられるのが理想ですが、核家族化などの影響もあり難しいのが現状です。
病気
発達障害や精神疾患、認知症など、病気が原因で片付けができなくなることがあります。
精神疾患はストレスや不規則な生活などが原因になることも多いので、睡眠・食事・適度な運動などを心掛けたいところです。
ゴミ屋敷になってしまう人はこれらの原因をいくつも複合して抱えているケースがほとんどです。
また自分で気を付けるだけでは解決が難しいのも事実です。本人の努力と周りのサポート体制が必要不可欠なのです。
ご相談・お見積もり無料ゴミ屋敷片付けプログレスは
日本全国対応
※許認可の関係等で現在対応できない地域も一部ございます。
ステップ2:捨てる・掃除する
ゴミ屋敷を片付ける実践方法について順序を追ってご紹介します。
・物を仕分ける
ゴミ袋をたくさん用意して、「燃えるゴミ」「不燃ゴミ」「衣類」「ペットボトル」などに分け、とにかくどんどん分けて入れていきます。
衣類は後程「捨てるもの」と「残すもの」に分けますが、最初から行うと時間がかかってしまうので、最初は一緒に入れても大丈夫です。
・大きなゴミを処分する
大きなクッションやぬいぐるみなどで使っていないものは処分しましょう。
・収納スペースや棚を片付ける
収納スペースや棚の中のものは一旦全て出して「捨てるもの」「残すもの」で仕分けしましょう。空っぽになった収納スペースや棚はこのタイミングで拭いてきれいにしておきましょう。
・掃除する
棚の上などのホコリを落とし、部屋全体に掃除機をかけましょう。
エアコンのフィルターや網戸の掃除などもしたいところですが、余裕がなければ後日にしましょう。
・ゴミ出し
住んでいる地域の処分方法に合わせてゴミ出しをします。ゴミの日を見越して掃除をすると良いですね。
・その他
残しておくことにした衣類は洗濯し、収納しましょう。リサイクルに出したいものはまとめておきましょう。
ステップ3:散らからないコツを実践
・使う頻度や導線を考えて収納する
使う頻度が高いものは取りやすい手前に、そうでないものは奥に収納しましょう。
また、「使う場所に使うものを収納する(例:ドレッサーにメイク道具など)」「一緒に使うものは同じ場所に収納する(例:アイロンとアイロン台など)」ということを心掛けましょう。
・定位置を決め、使ったら戻す
定位置を決めて、使った後は必ず元の場所に戻します。
そうすることで失くしものも減りますし、探しものをしていても散らかしてしまう心配はありません。
・物を増やさない
「必要になってから買う」ということを肝に銘じましょう。
・掃除する日を決める
曜日や日にち毎にどこを掃除するか予め決めておきましょう。
毎回、部屋全体を掃除するのは大変で挫折の原因になります。続けやすい環境を作りましょう。
まとめ
片付けや掃除が面倒だと感じる人も多いでしょう。しかしゴミ屋敷状態までたまってしまってからではさらに大変です。
一度ゴミ屋敷をリセットしたら、それ以降は「散らからないコツ」を実践してきれいな部屋を保つようにしましょう。
一人でゴミ屋敷の片付けをするのが難しいというときは家族や友人、場合によっては片付け業者などのプロを頼りましょう。
きれいな部屋と健やかな生活を手に入れてくださいね。