所有物件がゴミ屋敷になった際の大家の対応は?早めの対応が最善!
お役立ちコラム

自分の管理する物件でゴミ屋敷問題が発生してしまった場合に、大家としてできることを知っておきましょう。大家だからといって何でもできるわけではなく、できないことがあります。知らずにしてしまうと法に抵触する可能性があるため、十分な注意が必要です。
当コラムでは、ゴミ屋敷になった場合に大家として借主にどのような対応をとるべきかをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

小西 清香氏(整理収納アドバイザー)

小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)

元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。

なぜゴミ屋敷となるのか?

なぜゴミ屋敷となるのか?

まず、ゴミ屋敷になる原因を見ていきましょう。
ゴミ屋敷になってしまうのには、さまざまな理由があります。家族と同居している大世帯と単身世帯の場合では生活状況が異なるため、ほとんどの場合で理由も異なります。ここでは単身世帯者に多い原因に絞ってまとめてみます。

・忙しくてゴミ出しのルールに適応できない
・近所関係が希薄になり、隣人意識が低下している
・認知症などの理由でゴミの仕分けやゴミ出しができない
・生活苦や飲酒の問題による怠慢
・仕事のストレスでうつ状態になっている
・物が捨てられない
・仕事(早朝・夜勤勤務)でゴミ出しの時間に対応できない
・家族と同居中にゴミ出しをしたことがない(習慣が身についていない)

単身で賃貸マンションやアパートで暮らしていると近隣との関係が希薄になり、家の中に誰かを招き入れるような機会が日常的にほぼなくなる場合が多く、多少部屋が汚れていても気にしなくなります。就労時間の都合やゴミをためても誰にも気兼ねをする必要がないことからゴミ出しが疎かになり、家の中にため込む量が増えても意に介さないようになります。そのようなことの積み重ねでゴミがどんどん増えていき、床一面だけではなくゴミや不用品が家中を埋め尽くすゴミ屋敷と呼ばれる状態へとなってしまうのです。

ゴミ屋敷によるリスク

ゴミ屋敷によるリスク

部屋がゴミ屋敷と化してしまうと、多くの問題が起こります。また、悪化すればするほど、近隣にも迷惑がかかることになります。どのような状態になるのかを知っておきましょう。  

害虫の発生

ゴミを長く放置すると、ゴキブリ、ハエ、ウジ虫などの害虫が増えます。特に生ゴミなどを放置すると健康を害する害虫が大量発生し、近隣の住宅にも窓などから侵入していくため、多大なる影響を及ぼすことになりかねません。また多くの害虫が住みついてしまうと、駆除も大変です。自ら駆除をするにしても、精神的、身体的にも疲弊することは否めません。  

火災の発生

大量にゴミを溜めていると、何らかの理由で引火したときに一気に燃え上ってしまいます。火が一気に広がるということは他の部屋へと燃え広がるのも早いということなので、マンションなどの集合住宅では一室だけではなく多くの部屋へ甚大な被害をもたらします。  

悪臭の発生

生ゴミ中心のゴミの場合、夏場に一気に腐敗が進み、悪臭が発生します。そうなると近隣の人は悪臭で窓を開けることができませんし、悪臭は日常生活を阻害するため大きなクレームに発展する恐れもあります。もちろん衛生面にも問題があるため身体への悪影響が懸念されます

大家さんにできること

大家さんにできること

第2章で述べたようなことが起きると、他の居住者が減少しかねませんし、原状回復するのも大変です。まずは大家さんができる処置についてご紹介します。
実際にゴミ屋敷であることが分かっている場合と、分かっていない場合それぞれの対処法をお伝えします。  

ゴミ屋敷になっていることが分からない場合

ゴミ屋敷であることがはっきりと分からない場合、勧告をすることができます。ただし、苦情があったからといってドアに張り紙をするなど、第三者の目に触れるものは控えなければいけません。名誉棄損にあたる可能性があります。

大家にできるのは、内容証明郵便などで勧告することです。内容証明郵便には、いつまでに片付けてほしいという明確な期限と、守らない場合は契約を解除する旨を伝えましょう。最終的に退去勧告を行う際に必要な行為となります。  

ゴミ屋敷であることが分かっている場合

ゴミ屋敷であることが明確に分かっている場合は、事前に内容証明郵便などで契約解除を伝えておけば退去させることが可能です。契約解除後にまだ居座る場合は不法占拠となりますので、警察にも動いてもらえます。

ただし要求をして退去してもらうには、かなりの根気が必要です。口頭や文書にて注意しても改善されない場合は、何度も繰り返して行わなければなりません。何度注意しても改善されない場合は内容証明郵便を送り、期日を決めて処分してもらいます。それでも入居者が処分を行わなければ、一定期間内に退去してもらう旨を通知します。手を尽くしても入居者が何も行動を起こさない場合は、明け渡しの訴訟を起こします。

かなりの根気が必要なため、大家さん一人で対処すると憔悴してしまいかねません。このような案件は、行政機関への相談も可能です。警察・消防署・保健所・区役所などに相談しに行きましょう。大家さんやマンションの管理会社だけでなく、行政機関を巻き込んで対応することで大家さんにとって有利に進みます。  

してはいけないこと

入居者が留守中に勝手にゴミ出しをすることは、所有権の侵害にあたるためできません。夜逃げや孤独死などがあっても勝手に片付けることはできませんので、注意が必要です。ただし上記の退去勧告を行い、契約を解除した状態であれば片付けを始めて構いません。また、水道を止めるなどの方法で入居者を追い出そうとするのは、自力救済として禁止されています。あくまでも、勧告にとどめなければいけません。

仮に入居者が夜逃げした場合でも勝手に室内に立ち入れば住居侵入罪に、物を勝手に処分すると器物損壊罪にあたる可能性があります。入居者の行方が分からない場合は、強制執行手続きをとりましょう。

まず、入居者が夜逃げしてしまったら入居者・連帯保証人に連絡をとります。連絡がつけば、所有権放棄書を書いてもらえれば荷物を処分しても問題ありません。もし連絡がつかない場合は、明渡請求訴訟を起こしましょう。明け渡しが認められれば執行官によって荷物を回収してもらうことができます。

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ゴミ屋敷の原状回復にかかる金額と費用負担

ゴミ屋敷の原状回復にかかる金額と費用負担

借主が退去した後にゴミ屋敷だった部屋を原状回復するには、通常時の原状回復工事よりも高額な費用が必要になります。借主がゴミ屋敷にしたのだから借主が全額支払うのが当然だと思いますよね。
この章では、原状回復にかかる金額とその負担を誰が負うのかについてまとめました。  

ゴミ屋敷の原状回復にかかる金額

ゴミ屋敷の原状回復工事にかかる費用を、当社ゴミ屋敷片付けプログレスの料金設定を参考にご紹介いたします。

・1Kの場合 30,000円~
・1LDKの場合 63,000円~
・2LDKの場合 96,000円~

部屋の広さや数、ゴミの大きさによって前後しますが、概ねこの程度の費用がかかります。業者によっては買取などサービスも行っていますので、買取品が多いほど費用を削減することができます。  

費用負担は誰がする?

国土交通省のホームページに、原状回復についてのガイドラインがあります。そのガイドラインによれば、原状回復とは借りた当初の状態に戻すことではないと記載されています。そのため、借主が故意・過失があり、部屋を使用できないようにした場合であっても経年劣化分は考慮し、故意・過失がある範囲までしか負担させることはできません。つまり、大家さんもいくらか負担しなければならないのです。

トラブルを回避するためには

トラブルを回避するためには

最後に、ゴミ屋敷問題の早期発見のポイントと大きなトラブルを未然に防ぐのための対処法をお伝えしておきます。

1.入居者や管理会社とのコミュニケーションはスムーズに行う
2.共有部分に物が放置されていないか、郵便箱が溢れていないかなどのチェックを定期的に行う
3.裁判沙汰になることもあるので、入居者との連絡や交渉の経緯は客観的に記録しておく
4.情けをかけると悪い結果になることのほうが多いので、毅然とした態度で対応する
5.特約で、少し厳しめに制約をかけておくのも一つの手段

1と2は貸主側としては基本的なことですが、何かしらの兆候を見逃さないことで問題を未然に防ぐことができますので日頃から留意しておくことが大切です。ゴミ屋敷化しそうな状態を察知したり、すでにゴミ屋敷化していることが判明した場合は、大きな問題に発展しないように毅然とした態度で臨んでください。

まとめ

ゴミ屋敷問題に対して大家さんができることは限られており、かなり根気の必要な対応ばかりです。まずはゴミ問題が起きないように入居者の方とコミュニケーションをとり、定期的に共用部や郵便箱が溢れていないかどうかの確認を怠らないようにしましょう。
当コラムが少しでも問題解決の一助となりましたら幸いです。

この記事の執筆者

執筆者

株式会社プログレス
編集部 S・A

遺品整理の経験から不用品を整理する重要性を実感。
片付けについて専門的なことを学び、困っている人の助けになりたいとプログレスへ入社。
「知識のない人にもわかりやすく伝える」を信条にプログレス各種サイトのコラムの執筆を担当する編集部きっての女傑ライター。

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