ゴミ屋敷から引越しをしたいけど、自分では片付けられない。
何から手を付けたらいいかわからない。
そんなときには「片付けも引越しも、まとめて引越し業者にお願いしたらいいのでは?」と考える方も多いでしょう。
実は、そうではありません。
ゴミ屋敷の引越しは、引越し業者ではなく、ゴミ屋敷片付けの専門業者に依頼する必要があるのです。
どういうことか詳しくご説明します。
この記事の監修者
小西 清香氏
(整理収納アドバイザー)
元汚部屋出身の整理収納アドバイザー。テーブルの上には書類がいっぱい、畳んでいない洗濯物の山から洋服を探す日々。そんな私でも整理収納アドバイザーの資格を取った事がきっかけで、片付けられられるようになりました。以前の私と同じように片付けが苦手な方の力になりたいと思い、片付けの仕事をしています。
引越し業者に依頼できるの?
ゴミ屋敷から引越しすることは可能ですが、引越し業者へ片付けを依頼することはできません。
依頼できないどころか、見積もりすらしてもらえないでしょう。
引越し業者は、運搬する荷物の量や運搬する距離で見積もりをします。
ゴミ屋敷であれば運搬する荷物がどれほどあるか推測できません。
また、1日に何件も引越しを行う引越し業者が、ゴミ屋敷の片付けまで行っていては次の引越しに対応ができません。
特にゴミ屋敷であれば、当日までに不用品の分別や荷物の整理ができていない可能性も高いため、引き受けてくれる引越し業者はほぼないでしょう。
引越しの前にまず片付けをして、ゴミ屋敷から必要なものを運び出す準備をするためにはゴミ屋敷清掃の専門業者に依頼しなければなりません。
まずは何から始めればいい?
まずは協力してくれる専門業者に相談しましょう。
引越しをするためには、家の中にある荷物の分別とゴミの処分が必要です。
つまり不用品と引越し先へ持って行くものを仕分ける作業と、不用品を処分する作業です。
単純に分別といっても、ゴミ屋敷になってしまった自宅の作業は並大抵のことではありません。
今ゴミ屋敷になっているということは、長い間ゴミを捨てられずため込んでしまったからです。
そんな状況でゴミや不用品と必要な物を仕分けるのは非常に難しく、自分で整理できない場合が多いでしょう。
不用品の処分に関しても各市町村の規定に従って分別し、処分する必要があります。
使えなくなった家具や家電は不用品回収業者に依頼をして引き取ってもらったり、自分で自治体の粗大ゴミとして処分したりしなければなりません。
時間と労力がかかります。
一度に大量のゴミを出して、近隣住民に迷惑をかけないような気遣いも必要です。
自分で不用品の分別や処分ができないた場合は、ゴミ屋敷片付けに特化した専門業者に依頼するのがベストです。
ゴミ屋敷から引越すまでの流れ
ゴミ屋敷から引越すまでの流れをご説明します。
ゴミ屋敷清掃業者に依頼する
ゴミ屋敷の掃除を行ってくれる業者は多数存在しています。
非常に手間のかかるゴミ屋敷の清掃をプロの対応で進めてくれますから、自分で作業するよりも時間的にもはるかにスムーズに進むでしょう。
無料で見積もりを行ってくれたり、立ち会いなしでも作業を行ってくれる業者もあります。
何よりもゴミ屋敷の清掃を手伝ってくれているという、精神的なサポートにも繋がります。
必要なものと不用品を分別する
作業の大半はプロの業者にお任せすることができるので、新居に持って行く必要なものと不用品を選別する指示を出せばいいだけです。
ただし、今までゴミであっても捨てられなかった状況がゴミ屋敷へと繋がっていますから、「とにかく捨てる」ことを念頭に置いてください。
最初から思い出の詰まった大切なものを捨てるという判断はできないでしょうから、まずは小さなものから捨てていき、「捨てる」という感覚を思い出しましょう。
これができなければゴミ屋敷から脱却することはできません。
引越し業者に依頼する
ゴミ屋敷での作業が終わり、新居へ持って行くものが決まったら引越し業者に依頼しましょう。
ここでも引越し用の荷造りが必要です。
荷造りをする時間や体力がない方は、荷造りから請け負ってくれる引越し業者に依頼する方法もあります。
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※許認可の関係等で現在対応できない地域も一部ございます。
業者の選び方
ゴミ屋敷の清掃を行ってくれる業者に依頼する際には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
多くの親切・丁寧な業者がいる中で悪質な業者もいます。
せっかく一歩踏み出そうと依頼するわけですから、親身になって対応してくれる業者を選びたいものです。
見積もりを明確に提示できる業者を選ぶ
業者を選ぶときは、見積もりを明確に提示してくれる業者を選択しましょう。
依頼する業者によって料金体系は違ってきますが、何にどのくらいの料金がかかり、どこまで対応が可能なのか明確に提示できる業者に依頼してください。
「書類で見積書は出せません」とか「概算だけであとは現場状況によります」などという業者は危険です。
現場で「聞いていたよりも自宅が広いので追加料金がかかる」などと理由をつけ、高額請求をしてくる業者もいます。
特殊清掃やリフォームも可能な業者を選ぶ
ゴミ屋敷の清掃は、単なる通常のハウスクリーニングとは違います。
腐敗したゴミや生ゴミ、腐敗したゴミに群がる害虫駆除まで行わなければならないこともあります。
さらには床の腐敗や、壁紙に染み込んだ異臭にまで対応しなければならないかもしれません。
その状態のまま退去してしまうと、引き払い時に料金を請求されることもありますので、事前に業者へ相談できるようにしておくといいでしょう。
他人事ではないゴミ屋敷問題
ゴミ屋敷問題は決して他人事ではありません。
「私は毎日片付けしているし大丈夫」
「あんなにゴミをため込むなんて信じられない」
そう思っている方も多いと思いますが、住人の精神状態や体調によって自分で自分をコントロールできなくなることはよくあります。
家庭環境や仕事のストレスが原因で、セルフコントロールができなくなりゴミ屋敷になってしまうことも十分にあり得ます。
近年、高齢化が進み内閣府は2036年には3人に1人が65歳以上となると発表しています。
高齢者の一人暮らしが増えると掃除や不用品の処分をする体力もなくなり、ゴミをため込んでしまい、ゴミ屋敷となるケースもあるでしょう。
自分が大丈夫であっても、両親や親戚、友人の家がゴミ屋敷化してしまうことだってあります。
そのようなときは一人で解決しようとせず、周囲の人や専門の業者に助けを求めましょう。
自分が遠くに住んでいても、立ち会いなしで対応してくれる業者もあります。
周囲に知られたくないと感じて放置してしまったり、自分が動けないからとそのままの状態にしてしまったりするのではなく、まずは誰かに相談するという選択肢を持ってください。
まとめ
ゴミ屋敷から引越しをする際に、ほとんどの引越し業者は片付けや不用品の処分、見積もりすらしてもらえないこともあるでしょう。
ゴミ屋敷の引越しは、専門業者に依頼する必要があります。
ゴミ屋敷から引越すまでの流れは、3つのステップで進めることができます。
①ゴミ屋敷清掃業者に依頼する
②必要なものと不用品を分別する
③引越し業者に依頼する
ゴミ屋敷清掃の専門業者は多くありますが、悪質な業者も多く存在しています。
依頼する際には「見積もりを明確に提示できる業者」「特殊清掃やリフォームも可能な業者」を選ぶようにしましょう。
ゴミ屋敷の問題は他人事ではありません。
ふとしたことからセルフコントロールができなくなったり、高齢者の一人暮らしで片付ける体力がなくなったりと誰にでも起こり得る問題です。
そのようなときは誰かに頼ったり、専門業者に協力を依頼できたりするということを覚えておきましょう。